貝殻から海が聞こえる。小さい頃は寝る前によく泣いていた。「いつか死ぬ」ということを知ってから、毎日泣いていた。たしか幼稚園の頃だったと記憶している。そんな時に、父が持ってきてくれたのが貝殻だった。あの波音は貝殻に染み付いているのか。ずっとずっと昔から貝殻は海と一緒だったから不思議でもない。ロマンティックな父親でほんと良かったと思う。満月の夜光を灯火にして、父の本を読んでみた。写真:『波音』(神戸市須磨区須磨海岸にて)