Cry for the moon

黒鶫

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2005年01月07日(金) 犯人に告ぐ

数日前に買った本、確かクリスマスイブに買ったと思うが
「犯人に告ぐ」読み終わりました。
完結な感想を、本の帯風にいうと
『此れはただの推理小説ではない!人間同士の駆け引きだ!』
こんな感じでしょうか。
個人的には、最近読んだ本の中ではクリティカルヒット
半落ちも原作・映画と両方見たけど
感動こそ、犯人に告ぐには薄いものの別の部分で感心させられる
部分が多々あったと思う。

まず、一人一人のキャラがしっかりしている事。
私は頭の中で文章を映像として再現をしながら読んでる訳ですが
それをし易いほど、キャラクターがしっかりと
作られていること。
作家次第では、喋り方まで似通ってくる部分すらあるのに
これはそれもなく、台詞もしっかり
そのキャラクターの言葉として成り立っている。
そして、ただの推理小説の部分だけじゃない所。
やり取りが犯人との交渉だけじゃなく、それに+盛り上がりを付け加えているところが中だるみせず
淡々を読むことが出来た部分だと思う。
それは時として、外部の人間とのやり取りであったり
内部の人間であったりする。
そういう面白さが幾度と無く盛り込まれている。

多少、引っかかる部分というか
少し先が読める部分が一箇所ありましたが
それを気にさせない展開があり、それが私の中では
ぐっときた部分だったので無問題。
久々に、じっくりとでもペースを落とさせない内容の本でした。

一つ難を言えば、最初の事件でアレだけ盛り上げたのなら
もう少し犯人としての話に、濃さがあってもいいんじゃないかなと
思うんですがね。流石にあっさり過ぎてね。

それでもとても細かく、ドラマを見ているような
細かい作りがなされている本だったと思います。