カレー屋のカウンター席で通りを行くひとたちをみながらポークカレーを食べていたいろんなひとたちが通った男のひと女のひと若いひと老いたひと富めるひと貧しいひとしあわせそうなひとそうでないひともし今ここに私が通りかかったなら私はどういうひとにみえるのだろうかとふと考えたポークカレーを食べ終えかくして私も通りのひとになった私はしあわせそうにみえるのかそうでないのか考えながら金木犀の匂いが記憶を掻き乱すからだのこころのちいさな不和が他人じみた匂いに敏感に反応する