日は沈み、太った半月がぽっとりと浮かんで、ついさっきまで会っていた人達の顔がもう昔のことみたいに前頭葉に焼き付けられて、一日が終わることをばかみたいに眺め、まったく時間にながされていくしかなく、暗い闇に守るように包まれながら、わたしは進む。時間の軸、場所の軸がからまってほどけなくなり、私にはなにがなんだかわからないまま。夜の中。