綿霧岩
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ちょっと前、この冬はじめて見た雪は、強くて冷たい風と一緒に、上に下に舞いまくっていました。 それは、花びらのようにも、ゴミのようにも見えて、なんだか納得のいく気持ちでした。 日本全国で降っています、とテレビの画面で雪を見たときとは、やはり違う感じがしました。画面で見る雪は、音のない気がしたんです、「死」という概念を形にしたかのように、おもいっくそ静かで冷たくて、時に若人はそれに憧れたりするが所詮生き物はそこに居続けられない、というようなものに思えたんです。それ故に、雪に接したら、自分が、体温があって音も鳴る、ことを実感することだろうと思っていたのでした。
が、直接自分に降りかかってきた、上下左右前後から、雪ひとつぶひとつぶは、音を含んでいるようでした。 とりあえず、花びらでもゴミでも、私と同じ時を、生きているようなのでした。
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