1人と1匹の日常 |
2004年02月15日(日) 合同訓練時代。 |
介助犬と出会えば、あれもこれも、できるようになる、と思っていた。 「介助犬は、便利な道具ではない。」 それは合同訓練時代に、トレーナーさんから掛けられた言葉。 車イス生活になってから、普段あまり外に出る機会がなく、家の中で過ごす生活が続いていた。 介助犬と生活し始めるには、まずは、介助犬とユーザー(使用者)との、合同訓練を行う。 それは、これから共に生活することになる、介助犬との絆を築いていく最初の一歩でもある。 最初に、介助犬と一緒に歩く訓練から、始まった。 まずは、室内から。 そして、次は屋外へ。 りんくうと一緒に、初めて外に出た時。 距離にして500mで、立ち止まってしまった。 というか、そこで、リタイヤ。 日頃、車イスで外に出ることに慣れていなかったわたしには、合同訓練だからといって、いきなり外の世界を出歩けるわけがなかった。 そして、初めて目にした、現実の厳しき壁だった。 何気なく歩いていると、気づかれることがないことだけど、道路は緩やかなかまぼこ状になっている。 それは、雨水などが、道路の真ん中に貯まらないようにといった工夫がされてるのだけれど。 車イスで歩くと、勾配の流れに沿って、道の端へ端へと寄ってしまい、とても歩きにくい。 ちょっとした段差・坂道が、車輪で歩く車イスにとっては、困難な壁となってしまう。 恥ずかしいながら、わたしの合同訓練は、まずは、ユーザーであるわたし自身の、車イスでの歩行練習から始まった。 家の中での生活から、体力も落ちている。 違法駐車を除け、ちょっとした段差に転ばぬように。 意識を集中させる訓練は、終わる頃には毎日、疲れきっていた。 今でも、屋外を歩く時は、常に神経を集中している。 今は自分一人の命ではない。 りんくうのママであるわたしにとって、もう一つの大切な命も、守る立場であるのだから。 りんくうと一緒に、乗り越えた、始めの一歩。 あなたと一緒に、挑戦した、勇気の一歩。 |
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