++いつか海へ還るまで++

雨が降る 代わりに泣いて いるように

降り続く雨 降り止まぬ雨


2007年09月18日(火) どこにもない風景




「翼」

ずっと 欲しかったのは翼

まっ白な大きな翼

その国へ飛んでいくための

寒い夜には翼にくるまり眠る
雨の日には翼を大きく広げ

わたしは旅を続ける


ずっと 欲しかったのは翼


夢見るようにただ願った

その国が何処にあるのか

知らなかったけれど
知らなくてもかまわなかった

わたしは旅立ちたかった

ただ

わたしは
わたしの翼で

空を飛びたかった



*


「街」

霧深い小雨の中を歩いていた
人を捜しながら

それは いつか逢った人
顔も名前も忘れてしまったけど

逢えばきっとわかる
魂の片割れ

どこか懐かしい街
薄暗い小雨の降り続く
その人と逢った街

その人に逢いたかったのか
その街に戻りたかったのか

今では わからなくなってしまったけど

わたしは捜し続けた
まるで それが当然のことのように

その人に逢った街
その人と過ごした街
小雨の降り止まない街
いつも泣いている街

捜してもその人のいるはずのない

想い出だけの
二度と行けるはずのない

あの




*


「天気予報」

天気予報は はずれてばかりだ



暗いところ苦手だったはずなのに
いつの間にか夜道を歩くのが好きになってた

ひとりになるのが怖かったはずなのに
ぼんやり夢想するひとりの時間に安らぐ

無くしたものと手に入れたもの

良いとか悪いとかじゃなくて
変わっていったもの

自分の行く先を
予想できなくなっていったのは
いつからだったろう



雨が降ってるよ
激しく

ねぇ 明日は晴れるんだろうか?



*


「どんぐり拾い」

昔 子供の頃
大好きで
何個も何個も拾った

あの家の前の大きなどんぐりの木

缶かんいっぱいになってもまだ
拾い集めて

つやつやの焦げ茶色
帽子の付いたのや
まあるいの
細めなの

ただ嬉しかった
ただ楽しかった
トテモシアワセナジカン

もうあの木は無い
あの場所も
あの季節も

ただ時間を止めたまま
心の此処にひっそりと

もうあの少女はいない
何処にもいない

わたしは


たったひとつのどんぐりが

今 こんなに欲しい



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                               ゆうなぎ


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