++いつか海へ還るまで++

雨が降る 代わりに泣いて いるように

降り続く雨 降り止まぬ雨


2007年11月11日(日) さけび

 むかし書いた詩をふたつ。


「みんな生きている」

蟻を踏み潰した
とても無意識に

この蟻にも
命は確かにあった

もしかしたら
家族がいて 恋人がいて 友達がいて

いや 笑い事じゃなくて
本当に

みんな
帰ってこない蟻を
待ちわびているかもしれない

無造作に
この世から
消されてしまった命

大きなものの
ただの気まぐれな悪戯によって

ただそれが 蟻であったというだけ

それが人間には起こらないと
誰がいえるだろう

小さな命
大きな命
かたちは違っても
いろんな命

みんな命


みんな 生きている

みんな 生きていたい



***


「わたしを殺さないで」

あなたの言葉でわたしは死んでいく

今の言葉は左肩を刺し
さっきの言葉は右胸を貫いた

あなたは 何も気づかずに言葉を連ねる

耳を塞いでも
容赦なく襲ってくる指の隙間から

声をあげても
何故かあなたには届かない
ずっと 叫び続けても
あなたには 聞こえない

どうか お願いだから
多分耐えられない これ以上は


今 放たれた言葉の鋭い矢が
突き刺さる 逃げられない
わたしの心臓に

あなたの言葉でわたしは死んでいく

ああ どうか
わたしを殺さないで

お願い これ以上

ワタシヲ コロサナイデ



***********


 生を受けた瞬間から 死を考える人などいない。
 沢山のモノが人を傷つけ、蝕み、倦ませ、絶望させる。

 誰だって本当は生きたい。
 それが希望に満ちた人生ならば。
 死にたいんじゃない。
 ただ心のいき場を失くしてどうにも息ができなくなって
 苦しさのあまりに空へと逃げ場を求める。

 どうか耳をすませて
 わたしたちの心の声をきいて

 しずかなさけびに気づいて。

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                               ゆうなぎ

                             


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