フランソアの日記

2005年11月14日(月) いい研修医だ!!

 今日はSさんと深夜勤務。ターミナルの患者さん、最初のラウンド時に息が止まりそうなよわ〜〜い呼吸。呼吸器の当直も気になったのか11時ごろ診に来てくれた。12時には家族に連絡をして来てくれた。相変わらずコンプライアンスの悪い家族で「呼吸をする管を入れたらもう少しいきられますか?」とか、「人工呼吸器を使ったら意識が無くても1年ぐらい生きられますか」と訳の分からんことを言う。毎日のようにムンテラも受けて、セカンドオピニオンも受けて、緩和ケアもコンサルとして、・・・・全くサポート機能の発揮できない家族。息子は完璧な秋葉系で「モニターのディスプレイを昨日の様にして欲しい」と、どうでもいいことにこだわって、「呼吸の波形は胸郭の動きを追っているので、実際は呼吸が弱いから、当てにはならないんですよ」と説明しても、画面を見るばかりで、患者に寄り添おうともしない。娘は面会にずっときてなかったが、前日に来て、離れたところで患者を眺めていただけ。その娘が、「お父さん今までありがとうね」って手をずっと握っていてくれたことが救い。妻や息子をキーパーソンにしていたのは間違いだったようだ。

 看護師でいて良かったのと思うのは、こんな色んな家族模様や場面に立ち会えることかな。亡くなる瞬間、火が消えるような切ない尊い時間、それを共有できることって何にも例えようがない。休憩にはいり一息ついて、お茶をすすりながら○○さんありがとう。成仏して下さい…と手を合わせる。

 それよか、研修医のまっつん。あのこには本当に頭の下がる思い。本当によくやる。まじめで、きっと自分の中に医師としての目標があって、着実に力をつけているって感じ。当直のドクターも「すごくしっかりした研修医だ」と私に名前をきいた。患者さんを送って病棟にもどってきて、「お世話になりました」と挨拶もして、ぎょっと抱きしめたかったよおばさんは!!ただリクエストするならば、家に帰ってちゃんとフロにも入ろうね。匂うよ…


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フランソア

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