| 2025年10月15日(水) |
骨を彩る / 彩瀬 まる |
何も喪わず、傷つかず生きている人なんていない−。なかったことにできない、色とりどりの記憶がいま、あなたに降り注ぐ。色彩をなくした過去、記憶、日々に、あらためて向き合い、彩ってゆく希望の物語。
指のたより 妻の朝子は十年前に大腸がんで、三歳の娘を残して二十九歳という若さで亡くなった。 父から引き継いだ不動産会社にかまけてあまり病気の妻をいたわれなかった 久しぶりに妻の夢をみたが、妻の小指が欠けていた
古生代のバームロール 離婚して実家の弁当屋を手伝っている光恵 趣味は千代紙を折ること 高校のときの教師が亡くなって、身寄りもないので仲良しの友人達とお別れ会を開いた
ばらばら 高校のときの教師のお別れ会を中心になって取り仕切った玲子 息子がいじめられていると聞いたとき、事情を聞く母のことを息子は「ママ、怖い」と言った そんな玲子を夫は疲れているようだからどこか旅行でもしてこいと言う ふと、小学生のとき両親が離婚してそれからとうとう生きているうちに会えなかった父の墓参を思いついた
ハライソ 不眠症の浪人生(浩太郎)と中学二年の不登校児(ヨシノ)がインターネットのゲームで知り合った その後、浩太郎は大学卒業後地元の不動産事務所の就職し、ヨシノは薬化大学に入学した
やわらかい骨 三歳の時、母が亡くなってそれからずっと父と二人で暮らしている 中学校で部活はバスケットクラブ 友達の母親から母のいない子としてみられていることは すこし気持ちに引っかかりを感じている 転校生とちょっと仲良しになったり、別のクラスの男子と付き合ったり
私はこの父娘が好きだ
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