この前、教育テレビを偶然見ていて、「お話のくに」というのを やっていた。童話くらいの長さの本を俳優さんたちが朗読していく というだけではあるものの、非常に趣のある番組。 その割りに、最近はトント見ることがなくなっていた。
先日偶然見たのは宮沢賢治の「どんぐりと山猫」。
その前偶然に図書館で借りた「今子供に読ませたい本」の巻末に 「今、子供に読ませたいものとして作品を選ぶにあたって、 古典的なものは宮沢賢治くらいしか残らないのだが・・・」 というようなくだりがあって、 なるほど、宮沢賢治の書いたものは古くならないと痛感したばかりだった。
なくなった私の祖父は、わけあってほとんど会うこともなかったのだが、たまにうちに来てくれるとき必ず本を買ってきてくれた。 本の後ろに私の名前と、贈った自分の名前を青の万年筆で書いてあるので もらった記憶がないものも、祖父がくれたものと分かるのだ。 一番記憶に残っているのは「星の王子様」。 私の大好きな本だ。 それ以外には、宮沢賢治の本が多い。 実は、わたしは賢治に惹かれることがその当時なかったため、 どの本も、途中で投げ出して読みきっていない。
今になって、祖父のラインナップを眺めると いかに祖父がロマンチックで優しい人だったのかと感じる。 そして、星の王子様にしても、賢治にしても 決して古くならない「ほんもの」の何かのカケラを 私に贈ってくれたのだと感じるのだ。
そんな感傷的な気分に浸りながら、 先日図書館で宮沢賢治の「注文の多い料理店」を借りてきた。 今年の秋は、宮沢賢治にどっぷりと浸りながら、 秋の夜空を眺めたいと思っている。
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