先日、ある会社の人と一緒に昼食をとった。接待などに好んで使われる日本料理店の人だ。 夜は着物を着た女性の店員が殆んどであるが、昼のランチ時には、その趣ががらっと変わる。 半纏を着た若い男性店員が颯爽と店内を歩いている…らしい。 その店はオフィス街に店舗を構えているのだが、たとえランチといえども、お値段が少々張るので、サラリーマンやOLは滅多に行かない(笑)。 客の殆んどは、散策がてらにやってくる主婦なのである。 それも、ヤングミセスではなく、中高年のご婦人達が多いのだ。
その人が言うには、採用基準の優先順位が一昔前とは随分と変わったらしい。 昔は兎に角清潔感が重視されたそうだ。そして給仕としての能力が次にくるポイントだったとか。 しかし今は、何を置いても「いい男」であるかとが最優先されるらしい。 給仕の素質などは、もう殆んどどうでもいいことなのだと言う。 面接時には、女性の担当者が同席し、彼女等の意見に重きをおく。 その「いい男」の条件には、もちろん清潔感や明るさというのも入ってるわけであるが、正に彼女等のお眼鏡にかなった筋金入りの「いい男達」なのだ。 イタリアンやフレンチの世界に、こう言ったイケメン嗜好の傾向があるのは知っていたが、老舗の日本料理店にまでこの流れが押し寄せていることは以外だった。
一緒にいた上司は「何か理不尽ですなぁ・・」と少し不満げな様子。 な〜にをおっしゃいますか。 そんな理不尽な仕打ち、女性は太古の昔から受けてきたのですぞ。 「○○銀行の窓口の女の子は可愛いけど、○○の方はだめ。」 「どうせ寄越すんだったら、可愛いのを寄越せばいい。」 などなど・・挙げていたらキリがないが、そんな話を女子社員の前ではばからずしていたのは何処の誰でしたっけ? これが時流と言うものなのですよ、おとうさん(笑)
この風潮は、もしかしたら職人の世界にまで拡がるかもしれない。 ずら〜っとイケメンの若い寿司職人が、カウンターに並んで寿司をにぎっている…なんて光景が銀座辺りで見られる日がくるかもしれないな…。
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