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B-SIDE DISC7 
杏子



 繰り返される 問答


そう 互いに理解していたからこそ
私たちは 

これ以上の無い 敬意をもった問答を 

繰り返していたように思います。








15日間。

人生における 時間的な概念からすると
ほんの瞬き程度であるだろう
この 15日間。


けれども 

人生の 精神性という概念からする
この15日間は

圧倒的な量感と 質感を湛えた

忘れえぬ 15日間 である気がします。




その期間
彼と私のコミュニケーションは

5%を 肉声の電話で

5%を 互いの姿形を写した 携帯写真で

20%を 軽快なリズムでやり取りした 携帯メールで 


そして

残りの70%が






まるで チャットに臨む間隔であるかのように
長文のそれを 私たちは

日に何通もやり取りしました。




薄暗いバーカウンターで
隣に座る その人の体温をいとおしみながら

濡れた吐息とともに い出される 
会話のそれと同等か それ以上に

それは官能的であった  反面



互いに正を座し 背筋を伸ばして
向かい合うその人の 瞳の奥を見据える


おこがましくも 

まるで 禅問答を行う
僧侶のそれを 思い起こさせるように


互いが互いに誠実でありたいと願う
そういう 正しくも硬質な感覚 も


確かに存在していたように思います。 




それは

文字として 弾き出される言葉たちが


互い始終一貫して


敬語


という形で 具現化されていたことにも

起因されることであります。





遊びなのですか?


と 私は
卑しくも彼に問うたことがあります。


互いが 互いの

置かれた状況と その心情を
十分に理解しているのならば

それは愚問である以外の 何物でもない。



それに対する彼の答えは

是 でも 非 でもなく



それゆえに その答えは

それ以上のない 正しいものと成り得え




この恋愛を


おとしめたくない 


という互いの強い意志の表れ
とも取れるのです。









2008年09月06日(土)
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