きなこ日記
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2012年02月22日(水) 最近の読書

先日読んだ「玉工乙女」と同じ作者の「さざなみの国」という作品を読みました。前作同様、不思議な読後感に、ちょっと戸惑い…。滅亡しそうな一族から希望を託され、他族であった父の元へ向かう主人公・さざなみ。故郷の湖をよみがえらせる方法を探せ、という使命はあったが、さざなみは祖母、叔母などに迎えられて、すくすくと成長し、やがて、王宮の牧場に勤める役人となる。
少年の立身出世の話かと思うと、そうでもなく、湖をよみがえらせる方法を探すための冒険譚でもなく、淡々と事態が進み、さざなみは死に、一族は滅亡し、若くして後家になったさざなみの妻のもとに、一人の男子が届けられる。
ファンタジー小説だから、起伏を求めてしまうけれど、淡々とした話し運びが、反対に不思議な雰囲気を際立たせているというところでしょうか。
次回作に期待、というか、息長く追ってみたい作家さんの一人になりました。
勝山海百合。


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