時、が。 アタシを許す。 東雲色の温もりと。 月氷のヒカリで。 存在を。 ゆっくりと。 染みこませていく。
長い間。 アタシの姿はカガミに映らずに。 高い空。 ポカッと浮いていた。 どんなに素晴らしい靴を手に入れようと。 踵は1ミリも進まない。 キモチは。 蒼いキャンバスに張り付いたまま。 うんと長い間。 アタシはアタシをそうやって。 キワモノの見せ物のように。 プラスチックの向こうに放りだしてきたんだ。
けれど。 そんなアタシにさえ、時は微笑みながら。 全てを、許す。 いつからでも。 どんなところからでも。 アタシの右手は、アタシの左手を握ることができるのだ、と。 時は優しく謳う。
だから 。
アタシは。 アタシのことを、許す。
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