不確かなセカイなのに。 草花や木々は。 潔いまでの鮮やかさで。 季節を。 指折り数えている。
薄日の射す午前11時。 歩いて15分ほどのパン屋さんへ行こうと。 マンションをでて、ふと深呼吸をしたら。 春、独特の。 甘酸っぱい林檎のような香り。 ほんの数日前まで。 固く唇を閉ざしていたさくらの蕾が。 いっせいにほころび始めている。 手のひらを少し丸めて。 両手を合わせたような木蓮の花も。 ぽんぽんと、その花を。 空に向かって広げていた。 足元には、明るいタンポポと。 ブルーダイアモンド、天人唐草の愛らしい姿。 風が少し強くて。 どの花もピュ〜ッってなびきながら。 でもすごく楽しそう。
私も。 ちょっとうきうきしながら。 足元やら空やら、眺め、眺め。 目的のパン屋さんへ。 そうしたら。 フランスパンがちょうど焼き上がったところで。 皮からパリパリ音が聞こえてる。 そりゃも、美味しそうで。 速攻トレイに乗せて、後はお勧めのさくらあんぱん。
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今年の冬はとっても寒かったけれど。 寒がりの私は。 まだダウンが手放せないけれど。 けれど、やっぱり。 春、は。 もう目の前に立っているんだなあ……。
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