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セツナイキモチ


先週の金曜日。
少し早いヘビくんのお誕生日に、と。
家族で暮らしていたマンションへ。
元相方さまもその日は早くに帰宅して。
パーティーってこともないけれど、少しだけ、形だけ。
すももがいるから、おさるはアパートで留守番。
いつもいつも、誰かの誕生日には家族五人で祝ってきたけれど。
初めて。
ひとり、欠けてのハッピーバースディー。


翌日には、おさるがバイト、入っていたので。
それまでには帰らないといけないから。
慌ただしく、朝、帰宅の準備。
駅まで送るよ、と元相方さま。
うん、ありがとう、と素直にお礼。
けれど。
乗る電車には随分早く家をでると言うので。
どうしてかな? とは思いながら。
車に乗り込むと、駅とは違う道。
「どこかに寄ってくの?」
と聞いても曖昧な答えしか返ってこなくって。
着いたスーパー。
「ほら、顔に塗るクリーム、ないって言ってたよね」
なんて。
「お金は渡せないけれど、これくらいは買ってあげる」って。
「や、これ、自分で払うから」
そう言っても。
「いいから」
と……。
渡された品物を受け取りながら、なんだか。
言葉には表せない複雑な想い。


駅に着いても。
車を降りて、2〜3分歩くだけのところを。
「ここまで送ってきたから改札口まで送ってやる」
と、元相方さまが付いてきて。
改札をくぐっても。
ずっと見送ってくれる。
アタシ。
ほら、もう帰って、って。
いくら手を振っても。
ずっと、その場に立っている。
ホームに降りる階段で。
もう一度改札口を見ると。
同じ場所。
ずっと最後まで、見送ってくれた。
ホントのところ、ナミダが零れそうなほど。
ぐっとこみあげるもの。
セツナイキモチって。
きっとこういうことなんだな。


なんて深いこころを持つ人なんだろう。
どこまでも優しい人。
アタシは。
この優しいカレを。
どれだけ傷つけてきたのか。
帰りの電車に揺られながら。
自分の犯した過ちを。
ぐるぐると考えた。


答えは。
でないけれど。
そして。
それでも日々を暮らして行かなくてはいけないけれど。
アタシ。
いつでも元相方さまの。
幸せを祈っている。
どういう家族の形になっても。
ずっとずっと祈っているから。

2011年09月05日(月)




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