回り道のついでに
DiaryINDEX|past|will
大きい犬から電話。 「明日の予定はなぁに」
生憎8時からバイトだ。 でも会いたいなぁ。 親が居ないのなら尚更だ。 しかしタイミングが悪い。 でも会いたいねぇ。 ちょっと無理すれば会える。
髪、切ったんだね。 短いのも似合う。 可愛い。 ごはん食べて、シャワーも浴びて、 まったりしてたらおうちから電話。
チャッピーが死んじゃった
え?
一体何のことだか判らなかった。 チャッピーはあたしがずっと一緒に育ってきた家族。 実感なんか全然ない。 ずっと病気だったチャー。 良くなる見込みのない病だった。 そういえば、今朝、元気がなかった。
大きい犬がタクシーで帰れって言ってくれたけど、 あたしは帰らなかった。 帰れなかった、と言う方が正しい。 だってそんなまさか。 大きい犬の腕枕で、 全然眠れない夜を過ごした。 それでも、浅い眠りには付いた。 始発で家に帰ったら、 チャーは寝息を立ててる。 浅い呼吸。 胸に手を当てないと分からないくらいの。 なんだ、あの電話は嘘だったんだ。 あたしを家に帰すための、嘘だったんだ。 その夢こそが嘘だった。
苦しくて目を覚ます度に、 犬が抱きしめてくれるのが、 心底うれしかった。
現実が、重さを取り戻した瞬間だ。
|