My Prime Day's
さとりん



 女の子の不思議1。

CHINEMAに「CYPHER」更新済。
映像がキレーな作品。
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女の子って占いとか好きですよね。まぁ、中には嫌いって人ももちろんいますが、恋する女の子は一度なら占いに左右されてみたりするものです。
だからでしょうか、朝のニュース番組の最後には、かならず占いがありますよね。それを見て学校に行くなり出勤するなりする人も少なくなぃと思います。
「ステキな出会いがたくさん」とか書いてあれば、信じてなくても少なからずHappyな気持ちになり気付かないうちに服装や髪型に気合が入ってしまぅものです。
反対に「今日のあなたは何をやってもダメ。さっさと家に帰りましょう」とか書かれてた日には、朝からなんてことを言ってくれるんだと言わんばかりの心境になり、今日1日のスケジュールを見直したりするものです。

でも、玄関を1歩出ると占いなんて忘れてしまぅのがアタシなんですけどね。笑

今日はそんな占いにまつわるお話。

アタシが中学2年の頃、それはもぉ占いブームでした。
占いとはチトはずれるかもしれませんが、コックリさんも女の子の間では大ブーム。
フツーのオンナの子はもちろんのコト、ちょっとオタクくさぃオンナの子や、勉強しか頭になぃオンナの子まで、みんな一心不乱にコックリさんにはげんでたもんです。
今から考えれば、トチ狂っていたとしか思えない。はたから見たら一種の洗脳と思われていてもおかしくなかったかもしれなぃ。そんな中学時代でした。

コックリさんも流行ったのですが、それ以上に女子の間で流行っていたのは「ラピスペンダント」
コレはですね、昨今問題になっている、よく雑誌などの裏の広告に「コレを身につけるだけで彼氏ができる!お金持ちになれる!キレーになれる!」といったものです。
それはブレスレットだったり、指輪だったりペンダントだったり、種類はさまざま。

で、必ず一般読者からの体験談というものが写真付であり、彼氏とは到底無縁そうなジュゴンみたぃな婦女子が、そこそこの男前と「このペンダントのおかげで彼と出会えました♪」などと恥ずかしげもなく写っているものです。
他には、「コレが届いた日から町でナンパの嵐です」などと、それって勧誘じゃねーの?と疑いたくなるようなコメントがあったり、「今まで男の子と話したコトもなかった私でしたが、コレが届いてから7人の男の子に告白されました」などという赤裸々白書まで盛りだくさんな内容なんです。

おまっ、、、ドラえもんの化身じゃねーの?と言いたくなるようなメガネブスが、「コレが届いて1ヶ月後くらぃから、クラスの男の子たちにかわいくなったねと言われだしました」とか言ってるんですよ。
それはペンダント以外の力が、、、例えば集団催眠とかそういったものが間違いなく働いているだろうと、そのラピスの部分から何か煙みたぃなものがもくもくと出てくるんじゃねーか?そんなふうに思ってみたりもしたものです。とにかく、アタシたち読者は驚きと興奮を隠せないワケです。

もぉね、これらの事実にアタシたち中学生の心は躍りっぱなしです。
ただでさえ、この時期は好きな男のことしか頭になぃ時期です。そりゃ、こんなペンダント1つでその願いが叶うもんなら、喜んで買いますよ。
ですが、そのラピスペンダントというのは7500円もするのです。中学生にコレは大金。1ヶ月のお小遣いじゃ到底足りません。親にねだったところで、理由がこんなんじゃ前借すら無理ってもんです。

そんな経済状況の中学時代ですが、気付けばラピスペンダントをつけている女子どもが確実に増えているワケです。
親に前借したのか、お小遣いをせっせと貯めたのか、もしくはカツアゲでもしたのか知りませんが、確実に増えているのです。

そんなこんなで余計に欲しくなる。
あー欲しい、欲しい。とにかくコレがなければ、あたしの人生真っ暗なのは確実。受験も失敗するしケンちゃんともお別れだ。

などと、もはや洗脳されまくり。うん、この時点でちょっと自分の頭にヘッドギアの残像とか見えてたかも。

そんな危ないアタシにもビッグチャンスが到来し、つぃに夢にまで見たラピスペンダントを購入できる資金が集まったのです。
でも、いざ買えるとなるとその効果が本当なのか怪しくなります。何度も何度も書いてあるコメントを読み直し、その広告を隅々まで読んだものです。
するとですねー

「効果が見られないようでしたら90日以内なら代金全て返金します」

などという文字があったんですよ。
これに安心しきって、アタシは即効申し込みました。ハガキで。

そんなある日、友達と2人で市内に遊びに行き、バスで帰っていたのですが、とある停留所でアタシの大好きなケンちゃんが乗ってきたのですよ!もぉコレには驚きと喜びを隠せず、友達と2人でキャーキャー喜んだものです。もぉあのときのさとりん大興奮。興奮しすぎて鼻血が出てもおかしくなかった。

休みの日までケンちゃんに逢えて、なんてラッキ〜とルンルン気分で家路につくと、なんとアタシ宛にラピスが届いてるではありませんか!
もぉね、ソッコー思ったね。ラピス様ありがとう♪って。(ココでコイツかわいそうとか思わないように)

それから校則違反にもかかわらず、アタシは毎日そのペンダントをしてたんだけど、何の変化もなく毎日は過ぎていった。
さすがにバスの中で逢えただけじゃ7500円は高すぎる。たった、これだけの効果で7500円はなぃだろう。

そう思ったアタシは、学校帰りに公衆電話からラピスを返却するために電話をしたのです。
するとですねぇ、、、

「あの、何の効果も見られないんで返却したぃんですけど」

「本当に何の効果もありませんでしたか?」

「え?。。。。えぇ、まぁ」

「ちょっとした変化もなかったです?」

「(あったけど)そうですねぇ、、、ありませんでした」

「そうですか、ちょっとでも効果があったのであれば、このまま持っていてもらったほうがいぃんですけどねぇ」

「そうですか。でもなかったので明日返却しますね」

「かしこまりました。では、こちらから送ったときにいろいろな用紙も一緒に入ってたと思うんですよ?広告であったりハガキであったり。こちらから送ったもの全てを返却してもらぃたぃんです」

こんなこと言い出しやがるんですわ。確かにラピスペンダントが送られてきた箱の中には、広告だとかハガキだとか、とにかく用紙がたくさん入ってましたよ。ナイロンに入れられて。で、そのナイロンも返却しろと言うのです。
はっきり言って、んなものは捨てた。キレーさっぱり。

「あの、全部捨てちゃったんですけど・・・」

「え?そうなんですかぁ。基本的にですね、ナイロン1枚にしてもこちらから送ったもの全てを返却してもらわなぃとお金は返金できなぃんです」

「そうですか、、、じゃ、もーいぃです」

そう言って、アタシは受話器を置いた。
今思えば、そりゃそうだろな、と思うところだけど、まだまだ青臭かった中学生のアタシには、それはもぉ理不尽な事のように思えたのです。

それ以来、このラピスのヤローは何の効果ももたらさず、ただのアクセサリーにすぎませんでした。
ちなみにまわりの女子どもに聞いてみたところ、「うーん、、かわったような気がするけど、、、やっぱよくわからなぃ」というコメントが多かったのです。
まぁ、そりゃそうでしょうよ。
例えばですよ?学年で一番のモテモテだった岡本くん。
コイツのことが好きな人が10人いるとします。その10人全員がラピスをつけたらどうなるか。効果が本物ならばエラィコトですよ。まだまだ日本は一夫多妻制じゃなぃですからね。

こんなもんに人生頼っちゃいけません。最近でも、この木彫りの置物を買えば宝くじ当たる!とか書いてあるのをよく見ます。
こんなもんで当たるワケがなぃ!大阪のスーパー下品な顔の悪徳金融業の社長みたぃに札束をウチワにして写っている写真もありますが、あんなもんは撮影用に用意されたものにすぎません。
一般読者の体験談だって撮影用かもしれません。もしくは、たまたまそのラピスを買った時期と自分の運気が上がる時期が一緒だったのか、偶然か、そんなもんでしょう。
少なくとも、このせぃじゃなぃ。

あれから数年が過ぎ、こんなものはすっかり消滅したのかと思えば、二十歳も過ぎた頃こういうのに手を出している友人を見たものです。
だぃたぃこういうものに手を染めているヤツはモテなぃ。自分に自信がなく、こっちから何もできなぃので、コレに頼っている。
願望とは、お願いしてるだけじゃ、何も動きはしなぃんですがね。でも、この広告にはそう思わせるたくみな文章が飛び交っているのです。

ちなみに、ケンちゃんとどうなったかと言うとですね、アタシが大好きだった時期、ケンちゃんは微妙な返事しかくれませんでした。
「かわいぃと思うけど。。。別に・・・」
みたぃな。それにしびれを切らしたさとりんは
「好きか嫌いか、どっちかしかなぃんだよ!どっち!?」
と、半分脅しに近い質問をするとですね
「じゃぁ、好き」
などと、じゃぁ、、という部分が少々気になるケド、なんかハッピーエンドになったぽぃです。でも、そんなケンちゃんでしたから、別に何の進展もなく、いつの間にかアタシの気持ちも冷め、始まりもなく終わりもなくこの恋は幕を閉じてしまぃました。





アタシが高校生になり、ケンちゃんも同じ高校に行き、1学期も終わろうとした頃「付き合ってほしぃ」などと言われたのです。
遅い遅い遅すぎる!恋は生ものですよ!いつまでもあの時の気持ちがあると思ってもらっては困る。アタシのケンちゃんへの想いは、とっくの昔に腐りました。
そんなワケで残念ながらこの恋は成熟しなかったんですが、ふとあの時買ったラピスが頭をよぎりました。

もしかしてこんなにも長い年月をかけて、この想いは叶ったのではなぃだろうかってね。

2005年08月05日(金)
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