月に舞う桜

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2006年01月24日(火) 地球儀をくるくる回しながら、ふと思う

好きな言葉に「法律は最低限の道徳である」というのがある。
誰が本家本元かは知らないけれど、前にテレビドラマで聞いて気に入ったフレーズだ。
法律は最低限の道徳だ。
だから、「法律さえ守っていれば、それでいい」ということはない。
「法律守ってるんだから、いいじゃん。何がいけないの」というのは子どもの言うことだ。大人なら、それ以上の道徳や倫理や良識を持って然るべき。
……と思っていたのだが、もしかすると、「法律は守ってるんだから別にいいじゃん」と言う人は、実は法律すら守っていないことが多いのかもしれない。
でもさ、一番大人げないのは、大人の顔した子どもの正体も見抜けない人間だと思うんだな。大人の顔した子どもを褒めるじゃなくて散々持ち上げた挙句、そいつに大人の社会秩序をかき回されてるようじゃ、あとがないよ。子供に乱されるのは、社会が脆弱だから。いい加減しっかりしようよ、私たち。

絵手紙では、本来は墨汁を使わずに自分で墨を磨る。でも、力の弱い私がいちいち墨を磨るのは大変かと思い、墨汁を買いに行った。
ロフトに行ったので、墨汁以外のものもいろいろ目に入って困る。
今日は、特に地球儀。
地球儀は前からほしいと思っていた。
でも、高い。小さいので2000円、大きいのだと9000円とか1万円以上のものもある。
2000円なら買ってもよいかと思ったのだけれど、地名が英語表記のものしかなかったので諦めた。できれば日本語表記のがほしい。海はやっぱり青がいい。
あと、今ほしいのは、部屋でプラネタリウムを見られるという噂のアレ。

お金は大事だ。
お金さえあれば良いと言うわけではないけれど、お金がなければ何もできない。
「世の中、金が全て」とは思わないけれど、お金があれば解決できる(それも、気持ちよくスムーズに)ことはたくさんある。
だから、お金儲けは悪いことじゃない。私だって、できることならお金を儲けたい。
でも、お金は最終目的じゃない。その先に何を求めるのか、何のためにお金儲けをするのか自分の中で明確に(しているつもり、ではなく、本当に明確に)していないと、本末転倒な事態になりかねない。そして、自分の欲を見極めることは、地に足をつけて自分の身の丈に合った仕方でお金儲けをすることに繋がるのだと思う。
それから一番大事なのは、某カード会社のCMふうに言えば、pricelessなものをないがしろにしないということ。
例えば世の中の99%をお金で解決できるとしても、残りの1%を自分の生活から排除したがために、せっかくお金で得たものさえ失ってしまうことだってあるのだ。
所詮、お金はただの紙切れ。ものすごいスピードで走り続けていると、周りの景色はよく見えない。紙切れの先に自分が何を見ているのかも、よく分からなくなってくるのではないかと思う。立ち止まって「その先にあるもの」をしっかり認識しないと、札束に足元をすくわれてしまう。そもそも、その札束は蜃気楼かもしれないし。

私は今日、地球儀を買わなかった。
でも、いつか地球儀やプラネタリウムをぽんと買うことを想像した。
そういう「別に必要はないけれど、何となくあるといいなと思うもの」を気軽に買えるというのは、きっと、今よりもちょっと豊かで精神的にも余裕のある生活だろう。
それが、今の私が考える、手の届きそうなちょっとリッチな日々。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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