2010年09月03日(金) |
『ムーラン・ルージュ』 『エマ』 |
『ムーラン・ルージュ』Moulin Rouge! 2001年 濠=米 バズ・ラーマン監督
エラそうだけど、エンターテイメントに特化した姿勢はお見事としか言いようがない。
ユアン・マクレガーの出演作品歴を検索して
2〜3ヶ月前にこの作品をNHK-BSで録画したのを思い出した。
情報は仕入れずに、まず録画してしまうので、後から「!」となることが多いのだ。
音楽に精通している人にとっての音楽的意見はどうかわからないけど
誰もが一度は耳にした音楽を、ニコール・キッドマンとユアン・マクレガーが演じる
踊り子と若い作家が、愛する気持ちを歌に託する場面は本当に胸がつまってしまう。
踊り子(高級娼婦)が若き作家を公爵と勘違いして
何とか取り入ろうとベッドで悶えている脇で
その若き作家は緊張で声を震わせながら詩の朗読を敢行しようとしている。
二人のコミカルな演技は(とくに二コール・キットマンの演技は)突き抜けている。
そして若き作家がエルトン・ジョンのyour songを踊り子にささげる場面に続く。
映像効果と歌が交錯したシーンに心を打ちぬかれる。
自分的には作品の導入部分のこの場面が一番好きだ。
二コール・キッドマンにイマイチ乗り切れない感情があったので
作品を見る前にどうなるかと思ったが、フィルターを取っ払て見る事は出来た。
(イマイチ乗り切れない気持ちは完全には払拭出来てないが。)
バズ・ラーマン監督は、先に見たレオナルド・デカプリオ出演の
『ロミオ&ジュリエット』の監督だった。
これまで見てきた作品の中から、箸にも棒にもかからない作品を
10作品選ぶとしたら『ロミオ&ジュリエット』は確実に10作品の中に入る。
『ムーラン・ルージュ』が、その監督の作品だったとは。それを思うと感慨深い。
根っこは歌舞伎の世界に通じていると思う。
絢爛豪華な場面の連続ではあるのだが
映画が醸し出す質感から見ると、傑作のカテゴリーには入らないかもしれない。
だけど自分が常々考えている
人生は芸術 コメディは贅沢に にあてはまる。
だから好きな作品のひとつには違いない。
『エマ』 再見する。
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