2010年09月06日(月) |
『エバン・オールマイティ』 |
『エバン・オールマイティ』Evan Almighty 2007年
何となく乗り気じゃなかったけど
『リトル・ミス・サンシャイン』『40歳の童貞男』の
スティーヴ・カレルへの興味で見る。
スティーヴ・カレル演じる元キャスターで議員のエバンが
突然現れたモーガン・フリーマン演じる神にノアの箱舟を創造するように
言い渡される・・・という話なのだが
何の振りも起伏もなく、ただノアの箱舟創造を見せられる進行で
聖書と共に歩んでいるような人以外、どこに感情移入しろというのだ?
環境破壊、家族のつながりというキーワードがあると思う。
だけど感情移入が出来るような突っ込んだエピソードが存在しないのが問題なのだと思う。
例えば冒頭、議員となったエバンが家族と共に引越しをする車中、
息子が友達と会えなくなるのが嫌だ、と言う場面を膨らませて
その息子の仲の良い友達が宅地開発(環境破壊)に巻き込まれて
息子は胸を痛めているにも関わらず、エバンは受け流す、
そして、息子は父のエバンに反発心を強める・・・というフリを作っとくとか。
そして家族の笑顔が一番だ、みたいなエンディングだったけど
そもそもエバン家は奥さんはじめ息子たちとも仲が良いではないか。
何の衝突もないし、ゆえに何も乗り越えていないように見える。
だからもう少し、せめて家族の会話の中だけでもすれ違いや
分かり合えていない状況を描いておくとか。
衝突と言えば、エバンの仕事の都合でピクニックに行けなかった事ぐらい。
そのささやかな衝突と思えるエピソードが、ラストの清算に使われていた。
象徴と見ればよいのかも知れないが
別に何かを乗り越えたという強力なメッセージを受け取ってもいない家族たちが
ラストにピクニックでハッピーエンドという場面を見せられても
何が言いたいのだ?という気分にさえなってしまう。
結論、スティーヴ・カレルは外へはじけるような役柄ではなく
哲学的?に内向する役柄の方が個性が生きると思う。
頭の体操になった。
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