ギクの日記
ぼちぼち書いております
2008年05月31日(土)  ボウリング

ゴロゴロ〜とボールが転がる。
そして、ガッシャーンと爽快な音を立て、ピンが弾け飛ぶ。

そう、ボウリング!

ボウリングとは 「ストライク」 または 「スペア」 と取れば
普段では手すら触れることできない、愛しのあの人とハイタッチができ
なおかつセクハラにならない、夢とロマンが詰まった素晴らしいスポーツだ。

そのロマンを胸に刻み、会社の人達とボウリングに行ってきました。
投げる順番はジャンケンで決めて、僕がトップバッターに
そして、僕の記念すべき第一球は。

9本!

おぉ〜さいさきのいい出だしではないか、この調子でスペアを狙おう。
と、意気込んで2球目を投げたら、ボールは大きく左に反れてガター。
周囲からため息が漏れる。

2フレーム目
まだまだこれからだ、と前向きな気持ちで投じる。
ボールは真ん中を少し反れたが、いい具合にピンが連鎖し8本が倒れた。
よし!
今度こそスペアを狙い定めて放り投げる。
だが、1本倒れただけだった。

おかしい、こんなはずじゃないと葛藤が起こる。
普段の平均スコアは軽く130は超えるのに、まさか出足でつまずくとは。
早くも冷静さを失った、僕の3フレーム目の1投は力みすぎて
なんと・・・3本。
終わった。自分の中で何かが終わった気がした。
それでも、なんとか次に6本を倒す。
またしても、あと1本というところでスペアが取れないのは否めない。

4フレーム目、まさか・・と思ったが現実になる。
やはり、1本が残ったのだ。
ピン 「どうして、残りの1本が倒れないか理由がわかるか」 とピンが突然僕に話かけてきた。
「どうしてだい?教えてくれ」 と頼み込む
ピン 「それはなぁ〜自分で考えろ、バーカー」とヤツは笑った。

カチーンときた僕は渾身の力を込めた剛速球でヤツを射抜いてやった。
ついに悲願のスペアを取ったのだ。
そのあとの5フレーム目も、スペアを獲得。
どうだ、見たか、僕の力を 「ぐぁあはっはーー」 あとはストライクだけだ。
朝飯前だな。楽勝楽勝。

すっかり調子を取り戻したかに見えた僕に再びヤツが牙をむいた。6フレーム目。
「くそ、また1本、残りやがった、なぜストライクが取れない。」
ピン 「教えてやろうか」
「どうせ、教える気がないくせに」
ピン 「わかってんじゃないか」
「このヤロー、これでも、くらぇーー」と2投目を振りぬいた。
しかし、ピンが 「ひょいと」 とかわした。
あんな、へなちょこボールに当たるかよ的な感じでヤツは笑っていた。

苛立ちと焦りと憤怒の中、7フレーム目の1投は
自分の目を疑った。というより自分の腕を呪った。
またしても、9本。

「なぜだぁー、なぜ、お前は倒れない。」
ピン 「教えてやるよ、10人いれば1人は自分と釣り合わない
苦手で嫌いなヤツがいるだろ、それと同じさ、10ピンもいれば1ピンぐらいは
お前のコトを嫌っているやつがいるのさ、そいつが俺ってワケさ」
「僕が何をしたっているんだ」
ピン 「お前は、その能天気な性格が、その楽観的な言動が
知らず知らずの間に人を傷つけているのに気づかないのかい?」
「ピンのくせに生意気なーお前に僕の気持ちがわかってたまるかー」
と2球目を投じる。
だが、完全に理性を失った僕のボールにヤツが当たるはずがなかった・・・。

8フレーム目
自分の思いのたけをボールに込めて、真正面からピンにぶつけた。

「本当は “こうなるべきだ” “こうでありたい” と思うときがある
だが物事のすべてが自分の思い通りになるわけじゃない。
だったら自分ではどうしようもない、他人とうまく付き合うためにはこうするしかなかった」
ピン 「生きていれば色々ある、9人の人がお前を認めても
残りの1人がお前を認めないこともある。それでもいいじゃないか
残りの1人が否定的かもしれないけど、でもあとの9人はお前の事を認めているわけだから」

そう、ピンは言い残し。
10本すべてが見事に倒れた。

そう、ついに念願の “ストライク” を勝ち取ったのだ。
僕が拳を高々と掲げた。

8フレーム目は、今までずっと9本以上倒してきたのに
ついに8本で終わった。どうやら1ピン呪縛からは開放されたみたいだ。

そして、終局の10フレーム目に差し掛かる。
呪縛から解放され、我に敵なし的な感じで
ここらでかっこよくターキーで締めくくるか、と企んでいたが
最後の最後でやっぱり1本残るのであった。

ピン 「やっぱ、お前はその程度の人間だ。」







『追記』
本当は、愛しのあの人とのハイタッチについて熱論しようと
思っていたのに
自分でも、よくわからない方向へと話が歪曲してしまった。


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