食うか食われるかの自然界において、食われる側の動物。
食われる側の動物といえば、頭に浮かぶのが、鹿、羊、牛など 草食動物がほとんどだ。 自然界で、つねに肉食動物から狙われ襲われる彼らには 肉食動物のような鋭利な牙や鋭い爪を持っていない。 その代わりに、立派な“角”を持っている。 草食動物は肉を口にすることがないから、牙や爪は必要ないのだろう。
では、その立派な角は何のためにあるのか?
草食動物は、角のほかにも、外敵から逃げるための脚力が発達している。 それを考慮するに、やはり角は自分の身を守るためにあるのではないか。 角の形状を見ると、中には突起物のように尖っていているものもあり その角に突かれれば、危害を加える凶器にもなる。 でも、草食動物たちは凶器にもなる角があるにもかかわらず 自らの角で、誰かを傷つけることはしない。 あくまで、外敵がもつ、牙や爪の武器による攻撃から 迎撃するために、角を防具として使用している。
人間界にも“ナイフ”という凶器がある。 自然界と違って、食うか食われるかの瀬戸際の世界ではなく 平和な世界にもかかわらず、ナイフを所持している人がいる。
そのナイフは何のために必要なのか、自分の身を守るために必要なのか? では、誰の攻撃から身を守るのか。 結局、ナイフは誰かを傷つけるための凶器として使用されてしまう。
そして、またナイフによる痛ましい殺傷事件を引き起こした。
7人もの人を殺し、10人もの人を傷つける。
過去に何があったか知らないが、理由はどうであれ 命を奪うという行為が如何なるものか、今一度見つめ直して欲しいと切に願う。
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