12月って、なんで24日があるんだろう・・・。
さて、今年も刻一刻と着実に一歩一歩 ベルの音と共にクリスマスが迫って来た。
街はすっかりと幻想的なムードをかもしだしている。 あっちこっちで色鮮やかなイルミネーション。 商店街ではクリスマスキャロルが鳴り響き ケンタのおっさんはサンタの衣装を着せられている。 そして、極めつけは家の玄関に飾られているクリスマスツリー。
まったく、アレを見るたびに切なさがどっと押し寄せてくる。 「今年も1人ですけど何かモンクでも?」と サンタにデコピンの一つや二つ喰らわしてやりたい。
クリスマスというのは 僕の住む世界とは、別の世界の出来事だと 自負しているので干渉すべきではない。
そう思っていたので、僕はXmasモードには不参加のつもりでいた。
にも関らず、僕が母親に感化されお店でジグソーパズルを購入したときに 『プレゼント用に包装しましょうか?』 僕がアンチクリスマスだってことを知ってか知らずか ってか、知らずに決まっているが、女性店員は余計なことを聞いてくるのだ。 それが仕事だから、仕方がないとはいえ 「ジグソーパズルを彼女や奥さんにプレゼントとして本気であげると 思っていて聞いているのですか?」 「クリスマスプレゼントにジグソーパズルをあげると うわぁ〜、私これ前からすっごくほしかったんだぁ〜ありがとう みたいな展開になると、あなたは思っていて聞いているのですか」 と問いただしたい。
僕だって『プレゼント用に包装しましょうか?』って 女性店員に微笑ましく聞かれたら 「自分用のプレゼントなんで平気です」 とは格好悪くて 、口が裂けてもいえないもんだから そう思われたくがないために、見栄っ張りアビリティが発動してしまう。 「そうなんですよ、プレゼント用なんでぜひお願いします」 と・・・。 わざわざプレゼントの部分を 強調して包装してもうらわけよ。 でも、一生懸命に丁寧に包装してくれる 店員の姿を見ているとズッキっと胸に尖った星が突き刺さる。 「あ!そんなに丁寧に包装しなくてもいいですよ どうせ家に着いたらビリビリに破って捨てちゃうから」って 見栄っ張りアビリティが発動してしまったせいで もう言い出せないわけですよ。
そう思うと、なんだか クリスマスに強制参加させられているような気分になる。
ちきしょうー。 ちきしょーー。 こんちきしょーーー 何がクリスマスだぁーー! クリスマスのバカやろーーー。 回避不可能じゃねぇーか 責任者のサンタはどこだぁ〜〜 出て来い! 僕と今すぐに勝負しろ。
『なんだ!今年も一人だからって、ヒガんでいるのか?』 キターーー!突如、責任者のサンタが僕の目の前に 「そうだよ、悪いか?」 ケンカ腰に僕はサンタを睨み返す。 『あと、4日もあるではないか?』 サンタは夢みたいなことをほざいた。 「そんな簡単に相手が見つかったら苦労しないぜ」 僕は、すかさず言い返した。 『声をかけていないで、何もしていないで、もうダメだと諦めているお前が悪い』 「ちっ」 さすが、サンタだぜ。だてに何百年もサンタをやっているだけあって もっともらしいことを言いやがって、そんなことは最初からわかっているんだよ。 わかっているけど・・・。
ちきしょうぅーーーー。
僕は、フルスピードでコンクリートを駆け抜けた。
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