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いやはや、いろんな人がいる。 直哉は、また、いままであたしが出会った人とは違うタイプだった。
「自分の利益にならんことはせん」
って言葉になんてはっきりしたひと、って思ったけれど 話を聞いていたら、おお、いさぎよいねー、 という感じで、むしろ、 ちょっと八方美人なかんじのあたしは、うらやましさも覚えた。
基本的に俺、初対面の人間に敵意出してるからね。 あこはめずらしいよ。こんなふうになるの。 俺にとっちゃ奇跡的だね。
あたしは、直哉から敵意などみじんも感じてなく 初めてのディスカッションの時も、多分無邪気に話しかけていたに違いない。
鈍感なのか?
え、でもさ、あのワークの日、直哉さ、うちらの席の女の子と一緒に帰ってたやん?
ああ・・・あの子なんか天然なんかしらんけどさ、 俺が明らかにひとりにしてくれ、ってオーラだしてんのに気づかんねんて。
こーわ。意地悪っ!
それで、思った。 あたしと会うことが、彼にメリットになってるの?
あたしは。正直。彼といるとらくだ。 就活のプレッシャーを、すごく取り除いてくれて 頑張ろうって気にさせてくれて。
今日は、JJで二人でビリヤードしてゲームして、卓球対決して、 すかっと遊んだ。
「もかが、ヘコんだ時とかは、言えよ。 飛んできてやるから。」
そう言ってくれるけど。
彼が、住吉大社の、合格祈願のお守りをくれた。 就職だけじゃなく、国家試験もあるやろ、って。
気休めにくらいなるかなと思って、今日朝買ってきた。
彼のしてくれることというのは、いちいちあったかい。 かっこいいことじゃないけれど、あたしを思ってしてくれたことがわかって。
つきあって欲しいと、一応言われた。
あたしは直哉とはつきあえないよ。
きちんとそう言った。 でも、友達でいたいんだけど。微妙かな。
心の中で、でた、あたしの友達でいたい攻撃・・・ と思いながら。
あんた、何回友達でいることのリスクを知ったら気が済むの。
でも。 正直な気持ちなの。 0か、100か、っていうのはあたしにはしんどい。 彼氏か、他人か、なんて、世の中の男を二分できない。
そして、直哉みたいな存在の人は、 多分友達という言葉に当てはまらないんだろう。
ああ、だから、あたしは 「彼氏」「男友達」「他人」って、3パターンにはわけられない。
だから、「友達」って言うと、違和感があるんだ。 こうちゃんにしても・・・。
確実に、「微妙」か、「不思議」ってゆう分類があるはずで そしてそのカテゴリはけっこう大事だったりする。
直哉は、長いスパンで待つ、と言った。 それはあたしが彼と別れるのを待つということだろうか。
まあ、あいつでもいっか、とかでもえーよ。 と、直哉は笑いながらあたしをなでながら言ったけれど。
あたしが友達がうんぬん、という、 ズルさ満点のはなしを正直にしたときも
まあ、ダメならダメでしゃーないしね。ええんちゃう。
と言われた。解るよ、って。 つまり、彼氏と別れるってのも、俺と付き合うってのも違うけど 俺は必要ってことやろ?
ああ。的確すぎて言葉なし。
ええよ。
そう言って彼はリズムを刻みながら運転してた。
ただ。どうしよう、どうしよう。
あったかくておちついて、好きなにおいだった。
気がついたら、朝の4時を回ってた。 初めてあった日と同じ、時間の速さにまた、笑った。
もか
|おてがみ
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素材おかりしました。偶然HNとおなじ!

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