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いつの間にか西オーストラリアに馴染んでしまっていたのだろうか。家の近くを車で走っていても、スーパーマーケットに行くだけでも「あぁこんな物あったっけ」と思い出して懐かしくなる。
図書館にも行ってみた。高校受験の時からの付き合いで、社会人になっても頻繁に出入していたこの図書館も思い出深い。一生かかっても絶対に読みきれない量の本に満たされることはパースでほんの数冊の本しか持っていなかったわたしには愉快だ。気持ちが理解できる程、英語に長けていないわたしはパースでは人の言葉に深く傷つけられたりすることもない代わりに大きくときめいたりすることもなく、比較的淡々と日常を過ごしてきたように思う。大江健三郎や須賀敦子の本をめくり一言一言にぐぐっと吸い込まれるように感じてそれが快感だった。偶然元上司に再会した。帰国してから会う初めての家族以外の人でまたまた懐かしかった。図書館の外の石で出来たベンチに腰掛けてわたしは缶コーヒーを上司はタバコを手に話しているとまるで会社での午後4時くらいの休憩時間のようだった。わたしにも秒単位で時計を気にして走り回っていた時があったなんて今の生活からは考えられない。今の会社の状況や短波ラジオ放送の話、ベジタリアンレストランの資金の貯め方などの話題について話して別れた。妹を自動車教習所に迎えに行き、近所の電気屋やVideoレンタルショップなどを回って夕飯時に飲もうと辛口の日本酒を買い込んで家路に着いた。そろそろ職探しに取り掛かろうかな。