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高校生のほんの一時期、銀座のとあるイタリアンレストランのシェフをしているBFがいた。当時彼を訪ねて来てはテーブル一杯に料理を並べてもらって御馳走になった。昼間にコンビニのおにぎりなんて食べている高校生にはそれはそれは豪華なディナーだった。
用事があって銀座に来て気まぐれでそのお店に入ってみた。そして茄子とホウレンソウのトマトソースという何の変哲もないものをオーダーした。一口。う〜ん、何の変哲も無い味だ。自分が作るパスタとさほど変わらないような。。。10年経って自分の舌が肥えたのに違いない。無心に食べているとキッチンから20代前半くらいのシェフがでてきてわたしの前を通り過ぎた。人間何かを被っていると似ているように見えてしまうもので、一瞬、お?彼はまだ働いてたのか?と思ってしまったが、よくよく考えてそんなことはあり得ない。彼の見た目だって10年プラスされているはずなのだ。時の流れをしみじみ感じその店をでて電話ボックスから知人に電話をすると電話の向こうにとんでもない事実があるらしかった。状況から察してすぐに電話を切り、家路についた。知人には事情があり、2日前にわたしに感情的に話した時とは状況が一転したのである。わたしにはそれがよく理解できたので何も言えなかったけれど事情ではなく感情だけで走れた若い頃が妙に恋しかった。