My life as a cat
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2021年02月02日(火) son ami

ロクちゃんに、と頂いたぬいぐるみ。なんでも電子レンジで温められるんだそうだ。滅多に使わなくて洗面所の隅に追いやられて埃をかぶってた電子レンジを出してきて、温めてみる。人肌に温かくなってラヴェンダーの香りがしてくる。

「アミちゃんとねんねしててね」

横たわってるロクちゃんの体の脇にそっと置いてあげる。2時間くらいして触ってみたらまだ温かかった。へぇ、面白いのがあるものだな。姪っ子ちゃんにも買ってプレゼントしようかな。でも日本は何でもアンテナ張ってるから、こんなのこちらから送らなくてもどこでも売ってるのかもな、そう思って見てみたら意外に流行ってない。姪っ子ちゃん本人に聞いたら欲しい!というんで、ロクちゃんと同じのを買って送ることにした。彼女は3歳にして本当にはっきりしてて大人びてる。何を聞いても迷って体をもじもじくねってたりすることはなく、明確な答えがかえって来る。

「好きな食べ物はなんですか?」

「野菜!」

「マフラー編んであげようか。何色がいい?」

「ピンク!」

といった調子。両親が遊びに行くと、帰り際、

「今日は来てくれてありがとうね。右見て、左見て、もう一回右見て、気をつけて帰るんだよ」

なんて言うんだとか(笑)。日本を去った時は、横たわって泣いてるだけのべべちゃんだったのにな、こんなに成長しちゃって。会いたいな。

5歳下の妹は、ずっと小さな女の子のようだった。何歳になっても両親がそのように扱い続け、本人もその役割に甘んじてた。18歳で家を出たわたしは、たまに実家に帰ると、ぎょっとするようなことが多々あって、たちまち居心地が悪くなった。わたしと妹の関係性も何年経っても変わらなかった。何があっても頼れない。わたしが何とかするしかない。一緒にどこかへ行っても何をしてもそう思ってきた。妹はわたしに世間の色んなことを聞いてきたが、わたしが彼女から何かを教わることは期待できなかった。両親も年老いてきてるのに、いつか彼らが死んだらこの人はどうするんだろう?家族のことを思う時、いつもそんな心配がどこかにあった。一度そんなことを会社の同僚に話したところ、彼がこんなことを言った。

「そういう人はね、遅咲きなんだよ。気長に待ってたらいつか咲くから」

彼は正しかった、と今思う。妊娠してから妹とよく話すようになった。わたしは、妊娠、出産、赤ちゃん、子育てとかこういうことには全くもって無知だった。ところが妹は、たった一人出産しただけでも、助産師にでもなったらいいのに、というくらい知識が豊富だった。さすが、自分が子供の時から"子供が欲しい"なんて言ってた人は違う、と思った。わからないことがあると母と妹に相談する。ネットでは色んな情報があり過ぎて、何を信じたらいいのかわからないとき、身近な家族の意見が一番信頼できる。ずっと小さな女の子だった妹は、いつのまにか逞しい母親の顔になっていて、すっかりわたしの中の記憶を塗り替えた。

(写真:緑色のベイビーコクーンは友人が編んでくれたもの。沢山の贈り物を頂いて、祝福されて生まれてきたロクちゃんはなんて恵まれているんだろう)


Michelina |MAIL