My life as a cat
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2021年03月11日(木) 隣のインディアン・ガール

ロクちゃんと散歩中、運動場に"隣のインディアン・ガール"を見つけた。この運動場はいつもちょっと躾のワルいティーネイジャー達が屯して、サッカーやバスケットをして遊ぶ傍ら、お菓子を食い散らかしたり、喫煙したりしてる。今日もいつもと変わらない光景があった。違うのはインディアン・ガールがいるということだけ。彼女は正確にはデンマーク人あるいはフランス人だが見た目はインド人、そして今度引っ越すにあたって隣人になる。名前を一度聞いたが忘れてしまったので影でそう呼んでる。彼女はダウン症で、言動が少しおかしい。自分が黒髪でデンマークやフランスで育っているためアジア系の見た目になにか愛着を感じるのか、とにかくわたしは彼女に好かれていて、電話もしょっちゅうかかってくるし、会えば"I love you!!!"と抱きつかれたりする。コロナが心配で、最近は"やめてねっ"ときっぱり断っているのだが。彼女がロクちゃんの最初のお友達になるかもしれないと思うとちょっと不安になる。彼女はお祖母ちゃんと二人暮し。彼女の家は少しだけ複雑だ。お祖母ちゃんはデンマーク人(白人)なのだが、子供ができなくて、二人の子供をインドから養子として迎え入れた。そのうちのひとりの息子がインド系の顔の女性と結婚し、彼女が生まれた。だが、母親はダウン症の娘を見るなり逃げるように去っていってしまった。こうして父親とお兄ちゃんと三人でデンマークで暮らしてた彼女だが、父親は仕事が忙しく面倒を見ていられないため、彼女だけがフランスに移住したお祖母ちゃんの元にやってきたのだ。父親は休暇のたびにここに彼女に会いにきてる。

いつも会う時はひとりかお祖母ちゃんと一緒なので、この辺りのカレッジに通うちょっとワルい子供達と一緒にいるのはすごく違和感があった。しかし、近くまで行き、何が起こっているのか理解して、すごく嫌な気持ちになった。彼女は単純に仲間に入ろうとするのだが、みんな彼女をからかって右にいかせたり左にいかせたりして小馬鹿にしたように笑ってる。純真な彼女は笑われているのなんて全く気にもかけず、仲間に入るためなら何でも言われた通りにしてしまうのだ。彼女は空気を読まずいつでもわたしにまとわりついてくるので、鬱陶しく思うことばかりだが、全くもって心の悪い子ではない。それに彼女は他の子とは違うところで人より秀でてることだってあるのだ。例えばデンマーク語、フランス語、英語と既に3ヶ国語話せるように。この状況を壊したくて、彼女に手を振ってみたが、彼女は仲間に入ることに夢中で全くわたしが目に入っていなかった。苦い気持ちで背中を向け、ロクちゃんは絶対にこういう子をからかって笑うような子にはさせない、そう強く決意しながら帰ってきた。


Michelina |MAIL