My life as a cat
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2025年04月26日(土) やさしい風

世界中から観光客が押し寄せるだけあって南仏の春は美しいことには間違いない。花が咲き乱れて、空はからりと青くて、日差しが強くて、でも冷たい風が吹いてて木陰は涼しい。今日は息子が学校に行ってる間に、ひとりでお弁当作って、ピクニックに出かけた。赤ちゃんの彼とよく来た公園。まだ喋らない子にいっぱい咲いてる花を見せて、説明して、匂いを嗅がせて、喋らなくても、本当によく笑う子で、嬉しそうに笑って手足を動かしてたな、なんて思い出した。こんな美しいところなのに、わたしはこの時期になると日本が恋しくてたまらない。空気が少し冷たくて、風はふんわりとやさしくて(これがこの地中海性気候にはないところだ)、母が干した洗濯物が風にそよぎながら柔軟剤の香りがほんのりして、母の庭仕事の成果がこの時期一揆に実を結んだように、色とりどりの花が咲いて。そこにあった風景や人や匂いの全てが恋しくてたまらない。

学校帰り、息子は虫を捕まえるのに夢中でなかなか前に進まない。登校時の癖で早く!と急かしそうになって踏みとどまる。わたしはいつから「時間が無い」と言うようになったのか。空の雲はゆったり流れてて、息子には無限の時間がある。全ての人に平等に与えられたはずの一日24時間なのに、わたしだけ「時間が無い」わけはないのにね。うまく使えてないだけなのかもしれない、と悩んでる。


Michelina |MAIL