My life as a cat
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2025年10月13日(月) キレイの反対語

「ママはどうして汚くなっちゃったの?」

夜息子がベッドに入って、眠る前に聞く。少し前にこんなことを言ったせいだった。

「あなたの目は本当にきらきらしててキレイね。肌もツヤツヤでしっとりでいいなぁ。ママはあなたにママのキレイ・キレイ全部あげちゃったからね」

「・・・・。」

そしてこの言葉に続くのだ。単純にキレイの反対語が汚いだと知っていたことに驚いた。息子の日本語はたまに親の思ってる以上に発達してる。

「汚くなったわけじゃないけどね、キレイ・キレイはなくなっちゃったの」

「・・・・。」

「ママはどうしてぼくにたくさんキレイ・キレイくれたの?」

「そりゃ、ママはあなたがお腹の中に住んでる時からあなたのことが大好きだったから、ママのあげられるものは全部あげたかったの」

「ふーん、そうか」

解ったのかどうかあやしい返事をして眠りについた。


辻仁成さんの「パリの空の下で、息子とぼくの3000日」を読んだ。男手ひとつで10歳の息子を18歳の成人に育てるまでの記録だ。息子を育てる親という以外にも共通点が多く・・・(親子の会話は日本語なのに家の外にでれば息子はフランス語でフランス式の教育と理念を学んでくるということ、息子との歳の差は45歳とか)とても興味深かった。男の子ってこういうところあるなって息子がこんなに小さくてもうんうん頷いちゃうような箇所が多々あった。ただ同じフランスでもあちらはパリで、学校の校門の前でジョージ・クルーニーばりのお父さんが待ってて、子供が出てきたら抱きしめてキスしてるとか、隣人の職業とかも新聞記者だのなんだの文化の香りがして、それはコートダジュールの田舎村にいるわたしのところでは全くそんなものは見たことない。決してジョージ・クルーニーじゃないお父さんが校門からでてきた子供を抱きしめてキスしてはいるけど、手にはタバコが挟まってるし、服は今起きた?そりゃパジャマか?みたいなのとか、さっきまでペンキでも塗ってたの?みたいな服とか・・・。で職業はいつも休職中につき政府のお世話になってますとかで。。。
読んでいて、本当に“良い加減“の育て方だなと思った。甘やかしすぎってママ友に言われてたというけど、母親と父親の両役やってるんだもの、甘い人も必要だろう。息子さんは日本語は喋れるけど書けず、親子のテキストでのチャットはフランス語なのだそうだ。息子には日本語の読み書きを覚えて欲しいと思ってるけど、やっぱり難しいのかな、と考えたり(現時点で息子は日本語よりも英語よりもフランス語よりもスペイン語が一番得意だ)。その息子さんはちゃんと育って今はソルボンヌ大学に通ってるそうなのだ。子育ての仕方に悩むわたしにはとても響く箇所が多々あった。


Michelina |MAIL