歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2009年03月24日(火) 腹が立った逆ギレ商法

毎日、うちの歯科医院には何件もの電話がかかってきます。そのほとんどは患者さんからの電話なのですが、中には歯科とは全く関係が無い商売や勧誘の電話がかかってきます。
全く聞き覚えのない会社の名前を言って院長である僕を呼び出そうとするのならまだしも、僕の母校の名前や地元歯科医師会関係の名前を勝手に語り、如何にも関係者であることを装い僕を呼び出そうする輩もいます。全く失礼きわまりないのですが、不況の中で一つでも多く電話をかけ、商売に繋げたい業者が多いからだとは思います。ある意味、同情はするのですが、こちらとしてはいきなり電話をかけてきて“買ってください”と言われてもどうしようもありません。全て丁重にお断りしております。

先日、診療時間終了後、電話がかかってきました。ある不動産関係の電話で、マンション勧誘の電話でした。僕はいつもと同じように断わったのですが、電話を切ったと同時に再度電話がかかってきたのです。再び受話器を取ると、相手は直前に掛けてきた輩でした。いきなり

「おい、お前俺の電話に対して断わるなんていい度胸しているやないか!俺が患者やったら同じように断わっていたんかい!」

非常に高飛車な態度で僕に威嚇してくるのです。逆ギレというやつですね。僕は言いました。

「客に対してどうしてそんな偉そうな言い方ができるねん。それは脅しやないか?お前の会社と名前は覚えているぞ。威力業務妨害で警察に訴えるからな。俺の知り合いに警察歯科医がいるからな。」
と言った途端、その輩、突然電話を切ってしまいました。

全く何を考えているのでしょう。仮にも商売相手に対し威嚇、脅迫してモノを売るとは言語道断。犯罪行為に等しい行為です。僕はしばらく呆れてモノも言えませんでした。

昨日、インターネットでニュースを見ていると、このようなニュースがありました。
2009年3月23日読売新聞
脅迫まがいの悪質な電話勧誘で、マンション購入をしつこく迫る業者への苦情が急増し、愛知県内では昨年12月現在、相談件数が131件で前年同期の約1・5倍に上っていることがわかった。きっぱり断ると“逆ギレ”したり、嫌がらせをしたりするケースも目立ち、中には暴力を振るう業者もあるという。
 「あなたにマンションの購入を断られ、部下が人間不信になって自殺した。どうしてくれるんだ」。名古屋市内の50歳代の男性会社員宅に昨年11月上旬、上司を名乗る男から電話がかかってきた。
 男性の自宅や職場に、「老後の年金の足しに、マンション経営はどうですか」と、勧誘電話が頻繁にかかり始めたのは同年9月頃。男性は「住宅ローンがあるので」と断っていたが、その後も電話は続き、多い時には一日に数十回もかかってきた。困り果てた男性は同年10月下旬、電話の男に直接会って断った。しかしその後、「上司」という男から、部下の自殺を理由に契約を迫る電話が入るようになり、名古屋市消費生活センターへ相談した。同センターが強引な勧誘をやめるよう業者へ連絡したところ、電話はなくなり、部下の自殺もウソだったとみられている。
 国民生活センターによると、2007年度の相談件数は全国で2841件。5年前の倍近くに増えており、今年度はさらに1月現在、2386件で前年同期の約450件増。このうち約1割が強引な勧誘を断り切れずに、契約させられていた。悪質な業者の多くは社名などを名乗らずに電話をかけ、断られると「家に火をつけるぞ」「家族に気をつけろ」などと脅すほか、喫茶店などで長時間の説明をした場合は、「こんなに説明しても契約しないなんて、人としてどうなんだ」と殴るケースもあったという。
 被害相談が後を絶たない背景として、同センターは〈1〉悪質な訪問・通信販売や電話勧誘などを規制する特定商取引法では、電話勧誘で相手が購入しない意思を示した場合、再度勧誘することを禁じているが、分譲マンションは同法の指定商品ではない〈2〉宅地建物取引業法でも、断られた相手に再び勧誘することを規制していない――などを挙げ、行政に対し、業者への指導強化を求めている。
 こうした“逆ギレ商法”について、日本女子大の細川幸一准教授(消費者政策)は「不況の影響でマンション需要が冷え込み、業者が在庫を抱えていることも背景になっている。悪質な勧誘については毅然として断り、その後の電話には決して応じないことが大切。相手方の発信番号を表示するサービスを利用し、着信拒否に設定するなどの対策も有効」と指摘している。

どうも逆ギレ商法が横行しているようですが、人様に不快な思いをさせる商売が継続できるのでしょうか?ある知人曰く
「商売とは品物を売るのではなく、自分を売って買ってもらうこと」

僕も知人の意見に全面的に賛成です。商品を買おうとする場合、商品を売る担当者によって左右されることが多いもの。客の信用を得て初めて物が売れる。これは商売の基本ではないかと思います。逆ギレをしても客の信用は得られず、かえって敬遠されることは明白です。
逆ギレ商法をしている業者には、逆ギレ商法に頼っていると、いつかは思わぬしっぺ返しを食らうことに気がついて欲しいものです。


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