カゼノトオリミチ
もくじ|過去|未来

熱がある
うとうと 眠りの波間をさ迷う
時おり、水面にぽかり 頭が出るので
辺りを見回す
薄紙を一枚ずつはがしてゆくように
場面は移ろい
どうにも居心地悪くて
何度目かの寝返りのとき ひらり横切った
青い孔雀の長い尻尾を掴んだ
空高く飛びあがり振り回されたあと
塀に止まる孔雀
必死の形相の私を見つけると
せせら笑うようにお尻を上下に振り
ふるい落とした
寝巻きのままゴロゴロと石とともに転げる
あぁ 薄紙がすべてはがれた時
私はまた孔雀の尻尾を掴んで
箱庭のような下界を
ゆがんだ顔で
みおろしているのだろうか
natu

|