カゼノトオリミチ
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2006年11月29日(水) なべとDNA




気がつくと

なべを磨いていた

どこまでも どこまでも

終わりがない時に 迷い込んだかのように


ふと 父を思い出す

なべはいつもきれいにしろ

怒ったようになべを磨く 父の背中が怖かった


母は ただ

そばで おろおろするだけだった


父にとり

磨くものは 何でも良かったのではないか

すべてを忘れて

なべに取り込まれていたかった

それだけだったのではないか


わぁきれい!

私には 無邪気に喜んでくれる笑顔がある

それだけで 救われる

父には 必要のない笑顔だったのか

その質問に答える人は

もう いないけれど










natu