カゼノトオリミチ
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2007年04月02日(月) 四月の曇り空の日には





黙ったまま四月の曇り空は

低く 街に降り立ち

湿った風を ひんやり路地に流し

昼過ぎには 人気の無いのをいいことに

こっそり 時さえ止めてみせる


砂のお山に降る 憂鬱な雨のように

はらりと 音もなく散るさくらの花びらのように

灰色の小さな水滴が この身にしらずに降りそそぎ

気がつけば ここに居たはずが

姿も形も なにもない



存在など 四月の曇り空の日には

求められない

居ても 居なくても どちらでもよい

エアポケット

いっそ

止まった時の間に 溶けてしまえばいい






natu