顔をあげたら 風のない空に高いところに 月があった空気はひそかに 息をしていて雲ひとつない夜街は 永遠に静まりかえり月だけがこちらを見ていた優しく 下界を 見下ろしていた月に 短く会釈したきっと 今夜の夢では月から 長い階段が 伸びていて駆け上がる 黄金色の扉まで優しいまなざしの月に少しだけ 言葉をかけたありがとう 見ていてくれて月は ただ黙って 微笑んでいた