☆空想代理日記☆
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原因不明な背中痛がここまで続くと、もはや原因なんてどうでもよかった。ただ、「痛いよー、痛いよー」とわめき散らしていた昨日だった。
この痛みをわかりやすく説明すると、包丁の達人がバック転しながら背骨をみじん切りにするようであった。バック転は関係ないのではないかと考えてみたが、関係ないのである。
昨日も背中をかばうように生活していたため、中途半端なゾンビのようだった。
背筋をのばすことはできなかったし、進化途中の不完全な人間のようでもあるのだった。
じゃっかん背中を丸めるような感じでしか歩行ができなかったので、路上で遊ぶ子供たちから視線を集めた。
下を向きすぎても上を向きすぎても激痛がはしった。したがって斜め下を常に視ていた。道を視ながらにして足許には何もないかと予測をたてて歩行しなければならなかった。とても高度なテクニックと勇気が必要だった。
もし仮に100円玉が落ちていたとしても拾えないのだった。そう考えながら歩行していると、フタや小石までもがお金に視えてしまった。そのたびにがっかりしていたのであった。
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