☆空想代理日記☆
INDEX|past|will
この時期、世間では忘年会がさかんにおこなわれているようだ。
不逞者もその波にのって、そういった催しに参加しなければならないと心が熱くなった。
が、ひと晩お酒を呑んだからといって2007年を簡単に忘れることはできない。不逞者の記憶のパズルはそれほどに強固なのだった。
というわけで昨日は、忘年会ではなく『迎年会』と名称を変更した催しに参加したのだった。
迎年会の会場は個室に仕切られており、他の視線を感じることがなく醜態をさらすことができた。
しかし、個室といっても完全ではなかった。仕切りの上部に隙間があり、隣室の会話はまる聞こえだった。
隣室では男女混合での飲み会が開かれていたように思う。会話の端々を不逞者の泥棒耳によって獲得した感じから、そう思った。
「オレはさあ、カラオケとボウリングでは頂点を極めたよ」
女性のほうは無言だった。不逞者はテーブルに置いてあったビールをぶちまけた。
「オレの実力が知りたいなら、今度、予告状を送るよ。だからメルアド教えて」
さらに女性は無言だった。不逞者は声を殺して笑い転げた。泥棒耳はやめられない。
|