長い冬の後には必ず春が来る。とか、 暗い夜にも必ず夜明けが訪れる。とか、 辛い時期を辛抱によって乗り越える際の 心構えを説く言葉がある。 歳を重ねると、冴えない日々も時間を経ることに よって何とかやり過ごせるのが分かり、要領を得て くる。我慢強くなるというより単に鈍感になって いってるような気もしないではないが。 経験を重ねれば重ねる程に、時間がいろんな事を流 してくれるのを目撃して、世の中上手く出来てるも のだとホクホクしてしまう。 図々しくなる。 それでも、尚、絶対に時間では解決しきれない苦し みがあるのだろう。 夜明けの空の片隅に闇を見続け、 訪れた春の新芽の傍らに永遠に溶けない氷の欠片を認める。 鉛を抱えて歩くのだ 痛ましい事故や事件から「あれから何年が経ちました」 、という報道を見聞きする度に、 ここは一つ日常の他愛ない憂さなどで、うじゃうじゃ騒いでも 仕方ない・・と素直に思う 時の流れに泣き付くことが出来るのは幸いだと。
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