Skipper Johnの航海日誌

2007年07月07日(土) 「真似をしたら、勝てない」by 宮田秀明

世界最高峰のヨット・マッチレース「第32回アメリカス・カップ」がスペインのバレンシアで行われました。9戦中5勝したほうがカップをもらいます。

防衛艇であるスイスのアリンギ艇が、挑戦者のニュージーランド(NZ)のエミレーツ艇をリードし、4勝2敗で迎えた7月3日の第7戦、、、ヨット好きの私は公式ウェブサイトのテキストによる実況中継をかじりつくように見ていました。

前半は抜きつ抜かれつの大接戦でした。後半にNZが反則して遅れを取りました。

最後の下りコースで、先行するスイス艇のセールにトラブルがあり、NZが追い込みました。結果は1秒差でスイス艇が逃げ切り、アメリカス・カップを防衛しました。素晴らしい試合で感激しました。

一方、2000年に行われた第30回アメリカス・カップの予選決勝には日本艇が残っていました。この素晴らしい艇を設計したのが宮田秀明さんです。

宮田さんは現在日経ビジネスオンラインでコラムを書いているのですが、今回のコラムは「真似をしたら勝てない」という題で、2000年に行われた第30回アメリカス・カップの艇の設計について言及しておられます。

「一つの思考法は、アメリカス・カップ艇を船ではなく飛行機と考えたことである。(中略) 船の設計、ヨットの設計という枠から外に踏み出せなければ、世界レベルの競争に勝てない。(中略)ただ、単に真似しない、新規性が高いだけでは本当の競争力にはならない。その競争力を定量的なものにしなければならない。(中略) 真似をしないという発想だけであれば、それは単なる”変わったもの”に過ぎない。それでは勝てないのだ。どんな時も、本当に勝とうと思ったら、真似は禁物だ。真似をすれば、少なくとも真似をした相手には最初から敗北している。真似をしないことに、本当の創造が加わらなければ、革新にはならないし、競争力にもならない。」

これは本当にいい文章だと思います。

MBAの時に多くのビジネスケースを読んだのですが、私はついケースのとおりに真似をして経営すればいいのではと思ってしまいます。

しかし、現実は常に違った状況ですし、真似をしているようでは園時点で負けを認めているようなものですよね。

宮田さんは「真似をしないこと」に加えて、「本当の創造」をそこに加える必要があると喝破しています。この「本当の創造」こそ、100回や200回の失敗をあきらめず乗り越えて得られるような、カラダにしみこんだ創造なのではないかと感じます。

中国でのビジネス、まだまだ「本当の創造」が残っていると思います。夢を持って進んでいきたいと思っています。



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Skipper John