Skipper Johnの航海日誌

2007年09月26日(水) しっかりした精神を持って中国へ 古美術鑑定家 中島誠之助

しっかりした精神を持って中国へ 古美術鑑定家 中島誠之助

中国に何度も行って思うことは、中国人は相手を見るということです。だから、日本人はいい気になり慢心するとやられます。(中略) 日中戦争で中国に行った大日本帝国の将軍たちが向こうの要人からもらったという骨董品の鑑定依頼が良くありますが、ほとんど贋物です。それは中国人が相手をよく見ているということなのです。(中略) 日本人は足下を見られないようにしなければなりません。それには自分をもっと鍛える必要があります。相手をなめてはいけません。日本人はちょっと金が出来るといい気になる傾向があります。もっとしっかりした精神を持って中国に行かなければ失敗すると思います。
(日経ネット 中国ビジネス最新事情)
http://www.nikkei.co.jp/ps/china/

戦略ポイント: 相手をなめるな

テレビ東京系列の人気番組「お宝鑑定団」で一躍人気になり、「いい仕事してますねぇ」のセリフでも有名な中島誠之助さん。なんと、まだ文化大革命真っ只中の広州交易会にやってきて辞書を片手に中国の骨董を買い付けしておられたとのこと。氏が日本のみならず中国の骨董にも造詣が深い理由がよくわかりました。

さて、中島さんの「日本人は足下を見られないようにしなければなりません。それには自分をもっと鍛える必要があります。」、「相手をなめてはいけません。(中略) もっとしっかりした精神を持って中国に行かなければ失敗すると思います。」というコメントに、たいへん頭の下がる思いです。

一芸に秀でると、他の分野においても本質を掴むコツがわかるようで、中島さんは骨董を通じて人間そのものをよく見ておられるのだなと理解できます。

中国の人は相手のことを本当によく見ていると思います。相手によって取る戦略が違うくらいです。その上、理を通すこともうまいので落としどころをよく心得ている感じがします。

そのためにも中島さんがおっしゃるとおり「相手をなめてはいけない」ですし、「足下を見られないよう、自分をもっと鍛える」ことが大切になってきます。長年中国にいるとつい分かったような気持ちになってしまいますが、やはり自分をもっと鍛えていかなければなりませんね。

「相手をなめない」ことや「謙虚に自分の力を認め、努力する」ことは、異文化コミュニケーションでは非常に重要な要素です。相手の文化や感情を認めて尊重してあげること、そして自らの文化が違うことを謙虚に認めて相手とうまくすり合わせていくこと。これらができるようになれば、異文化接触も相当のレベルといえいるでしょう。


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Skipper John