舌の色はピンク
DiaryINDEXpastwill


2004年05月22日(土) 供述

本当にわざとじゃなかったんです信じてください。
ボクには犯罪なんてできる度胸ぜんぜん、ないんですよ。えぇ。
そりゃね、ボクだって、あのラーメン屋には失望を感じてました。
……元々は薦められたんですよ。
えー、うまいとかなんとか、えっと……まぁその、いろいろ薦められて。
でもその、他人の舌と自分の舌が合わないなんてよくあることですよね。
べつにおいしくなかったんです。
だから店内でメールしてましたよ。えぇ。
べつに金払うまでもねー食い逃げしちゃおっかな、なんてメールをね。してました。
勿論冗談で!ですよ。はは、は……今思えば子供みたいで……ほんとに……。
ちょうど、そんなメールを打った直後、一杯を完食したんです。
ごちそうさま、と丼をあげてね。礼儀正しい客でしょう?
そして、店を出ました。えぇ、もう、自然にね。
家に帰ったらなにしよう、なんて思いを馳せつつね。
だから店員さんに声をかけられたときには、
まったくワケがわかりませんでした。
代金を支払え? 何言ってるんだろうコイツ、と思いましたよ。
でもね、一瞬後には、なんていうんでしょう、
その……恥辱……慙愧……苦渋……胸が重くなっちゃって。
すぐ払いましたよ!
だって、本当に食い逃げするつもりではなかったんですから。本当です。
店員さんの気持ちもわかりますよ。
食い逃げ犯は捕まったら、抵抗するよりは素直に払って、
故意ではなかったんですと勝ち気に呟きますよね。
でも僕は、ちがい……えっ、そんな、信じてくださいよ!
ちょっ、なっ、離してくれませんか?
離して話しましょうよ、なんつって! いや今のは冗談ですけど! 本当に!
帰せよ! オレは無実なんだよ!! 弁護士呼べよぉ訴えるぞコラなんじゃオ

日記05/22 完


れどれ |MAIL