2008年10月06日(月)
大きな呼吸が止まり、ナースコールを押してと言っても、母は押しませんでした。
「息が吹き返すかもしれないし……」
その言葉を聴き、私は半分「無我夢中」で、でも半分はこれからやってくるショックに耐えられるように準備しながら、ナースコールを何度も押しました。 そう、何度も。
でも、だれひとりやってきません。 ナースコールが壊れているのかとも思いましたら、そんなことはありえません。
時間にしたら数十秒のことだったけれど、その時間がとても長く長く感じました。
そしていきなり無造作にドアが開き、がさつに入ってきたナースが父とその心電図を見て叫びました。
「アレストーーーっ!」
私は、今日までこの言葉をずっと思い出せませんでした。 あのとき、あのナースは、いったいなんて叫んだのか。 そのときは覚えていようと思ったけれど、その後の病院の対応や役所への腹立たしさに、その瞬間のことがなかなか思い出せませんでした。
でも、きょう、ふと、その言葉に出会うことができました。
「アレスト=心停止」
その言葉を機に、バタバタと入ってくるナースと、まるで儀式的に徐細動をかけ心臓マッサージをするドクター。
私は、そんな医療者には、なりたくない。
おやすみ。
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