2009年05月09日(土)
昔からの仲間に囲まれて、焼香台まで進みました。 少し後ずさり。 でも、着実に順番は近づいてきています。 持っていた数珠がぶるぶる震えます。 気がついたら、私は全身がガタガタと震えて止まりませんでした。
祭壇の友の母の写真を見ることもできず、祭壇のどこかに座っている友の父を確認することもできず、それでもできるかぎりていねいにお焼香をすませて、喪主である友の顔を見ました。
「ありがとうな」
一生懸命に感謝の言葉を伝えようとしている友に、さらに全身がガタガタと震えて、もう私は立っていることが精いっぱいでした。
先に焼香をすませた仲間のもとにゆっくりと向かい、ほっと一安心。 ここには、倒れても支えてくれる仲間がいる。
……。いえ、倒れるわけにはいきません。 だって、友が必死になって、みんなにお礼の言葉を述べているのですから。
焼香が終わり、喪主があいさつをしました。
「おじいちゃん、おやじ、そして僕たちの面倒を見続けてきた母が亡くなり、これからは、みなさんにいろんなことを教えてもらわなければいけません。僕は、ゴミの出し方、ゴミの曜日でさえ知りません……、云々」
とてもとても、彼らしさのにじみでたあいさつでした。
故人とのお別れも、させてもらいました。 どことなく「笑顔」を彷彿させたのは、故人の性格なのでしょうか……。 そんな表情のあと、故人の長男を振り返りました。
ハンカチを持っていないのでしょうか。 それともあえて拭いていないのでしょうか 伝えたい言葉や気持ちはあるはずなのに、あちこちと頬を伝わる涙で覆われている友に、何もいえず。
ごめん。 役立たずで、ごめん。
あなたは、私をいつも元気づけてくれたけど、私は、今、無力です。 ごめん。
おやすみ。
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