不用品 買取 家庭教師 celeste blue

celeste blue



かつてのこと

2009年06月07日(日)

山のてっぺんで育った母は、かなり「おてんば娘」だったというのは、子どものころから聞いていました。
「おてんば娘」というより、ガキ大将。
近所でも学校でも、男の子を子分に従えて、怖いものなしだったようです。

かけっこをしても木登りをしても、同年代の子には誰にも負けなかった母。
きっと、私よりも負けず嫌いの性格がそうさせたのでしょう。

でも、それだけではガキ大将にはなれません。
ただの生意気な女の子です。

「子どものころは、いろんな遊びがあったよ」

先日、母がテレビを観ながらポロっと言いました。

「カマキリをつかまえてね、ペチャっとつぶすと中から何が出てくると思う? 釣り糸みたいな一本の線が出てくるんよ」

カマキリをペチャっとつぶすこと自体、想像したくありません。

「その糸をつないで、川で釣りをするねん。よく釣れたわ〜」

糸をつなぐ……ということは、何匹もカマキリをつかまえて糸を集めたということなのでしょう……。

このほかにも、アブをつかまえて頭にタコ糸を結んで「空飛ぶペット」として連れまわしたり、カエルを捕まえてお尻にストローをさして空気をふぅーーっと入れたり。

「……空気を入れると、どうなんの?」

おそるおそる聞いてみました。

「おなかがぷぅーーーーっつとふくらんで、風船みたいになるよ」

………。
おそろしくて、その後のことは聞きませんでした。
そして、母がガキ大将の地位を獲得したわけが、ちょっとわかったような気がしました。

あいにく……いえ、幸いながら私は母のもつ天性のガキ大将の血は受け継いでいません。
それでも、私はかつてガキ大将だった母が、ちょっとだけ自慢なのでした。

おやすみ。


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celeste [MAIL] [アルバム「紺と碧」]

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