何も知らないけれど・・・

2012年04月11日(水)

今、まさに、桜満開。
昨日はあたたかく、よい花見日和でしたが、
今日はお天気が崩れてしまいました。
花の盛りの短さに、誰もが詩人になります。
桜関連の和歌をその辺の本(主に新古今和歌集)から少し↓に取り出してみました。



山高み朝ゐる雲と見えつるは 夜のまに咲ける桜なりけり
                             祝部成仲


いま桜 咲きぬと見えて薄くもり 春に霞める世のけしきかな
                             式子内親王


はかなくて過ぎにしかたを数ふれば 花にもの思ふ春ぞ経にける
                             式子内親王


いくとせの春に心をつくしきぬ あはれと思へみ吉野の花
                             皇太后宮大夫俊成


いもやすく寝られざりけり春の夜は 花の散るのみ夢に見えつつ
                             凡河内躬恒


吉野山梢の花を見し日より 心は身にも添わずなりにき
                             西行


風通ふ寝覚めの袖の花の香に かをる枕の春の夜の夢
                             俊成卿女


またや見む交野のみ野の桜狩り 花の雪散る春のあけぼの
                             藤原俊成

  
春雨のそほ降る空のをやみせず 落つる涙に花ぞ散りける
                             源重之


おぼろなる影とは何か思ひけん 花にうつろふ春の夜の月
                             徳大寺公孝


いりあひの声する山の影くれて 花のこのまに月出でにけり
                             永福門院


山ふかき谷吹きのぼる春風に うきてあまぎる花の白雪
                             藤原為家 

さそひ行く花の梢の春風に くもらぬ雪ぞ空にあまぎる
                             前右兵衛督為教

                                  
花さそふなごりを雲に吹きとめて しばしはにほへ春の山風
                             藤原雅経


雲となり雪とふりしく山桜 いづれを花の色とかもみん
                             西園寺実氏


吉野山花のふるさと跡絶えて むなしき枝に春風ぞ吹く
                             藤原良経


花は散りその色となくながむれば むなしき空に春雨ぞ降る
                             式子内親王



和歌を目で追えば、美しい絵画を見ているよう。
声に出して読めば、心地よい音楽のよう。
三十一文字で表された美しい詩。
日本人でしあわせ。
一首一首、頭の中で映像を作って遊ぶのがとっても楽しい。
美しい公達は光ちゃんに、姫君はずうずうしくも、30年、いえ、40年前の自分にして、勝手に物語を作ります。
楽しい空想にはゆったりとした時間が必要です。
今はまだ、夢見る乙女でいられる時間はほんの少し。
さあ、みんなの帰宅が遅いのはわかっていても、
いくらなんでも、もう夕食の支度をしないと。
残念ですが、母に主婦に戻ります。


19:05


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