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人間活動のこと。 - 2012年11月04日(日)

あんまり言いたくない話。盛りだくさん。

***

この前、ひょんなことから会社のお偉いさんと飲みの席を
ご一緒する機会があった。

経営陣の話を少し聞いたり出来て、結構現場思いなことも
考えてくださっていたのも聞けて、良かったと思う。
けれど、ある程度大きな組織ともなると、一律に職員たちを
「この年次はこういう経験」って仕事をさせてあげるのは
なかなかやはり難しい。ようだった。
事業部ごとに当然、扱っている商品も違うし、そうなると
そこに割り振られたメンバーたちが、順調にみんながみんな
同じようなキャリアを積んでいけるとは限らない。
その話も少し、役員の方はされていて。
もちろん、個人の意欲や元もとの能力差、センスなんかも
キャリアの差としては出てくる要因だけれど。
多くは環境なんだと思う。チャンスがある事業部かどうか。
やはり、「光の当たる場所」と「陰の場所」は存在する。
私のいる部門は、後者だ。役員も認識していた。

「就職活動の面接で志望動機として言った言葉と、実際に
 現場に出てみて働いている今では、ギャップはあるかい」

そう言われ、周りの同期たちは「思ったほどは無いです」と
言っていたけれど、私は、お世辞にもそうは言えなかった。

「まったく違いました。こんなはずじゃなかった」
お酒も進んでいたとは言え役員の前でそんなことを言うのは、
あまり良くなかったかもしれない。けれど嘘はつけなかった。
「君のところはそうかもしれないな」そう言われた。

***

ネットで何かの記事を読んでいて、今の若手(20代頃)で
「社内ニート」が増えている、という実状があるそうだ。

簡単に正社員をクビにすることは出来ない、それでいて、
仕事を教えるにも、余裕も無く、適任者も居ない。
そういう状況で、若手に仕事を任せられずその状態が続き、
結局は、仕事もほとんど無い、暇な状態になっている。

そんな「社内ニート」は、正直言うと自分も若干そういった
側面があるように思う。

最近は仕事も増えてきた(でも不本意なものばかりだが)が、
少し前までは、所属する事業所自体が閑散としていることも
あって仕事の全体量と言うのが少なかった。(今もそうだが)
そうなると一番下っ端だった自分に振られる仕事は、良くて
雑用周りのことだが、酷い場合は何も無く、自主学習だ。
雑用すら、自分より少し上の年次の先輩がまとめて引き受け、
私のような一番下っ端に何も仕事が下りてこないこともある。
ある意味、そういうのは、有難い環境かもしれない。
ラクというのは。しかも勉強し放題というのは。

けれど、それも限度がある。毎日そんな状況だと、正直、
「会社で自分は何をしているのだろう」という気にもなる。
そういう状況に居る本人しか分からないかもしれない。
別の事業所の同期や、他社の知人は、「残業が忙しくて」
なんて言って、「お前のとこはヒマそうで羨ましい」と。
だったら、そうなってみろと言いたい。むしろ、自分も
それだけ仕事にのめりこめるような、そんな生活がしたい。

結局は、環境なんだと思う。
「環境のせいにするな」と言われそうだが、環境に関係なく
自分で仕事をガツガツ探せるなら、会社員なんてしていない。
とっくに会社に見切りつけて独立してるわ。なんて甘えた
ことを言ってみる。

残業多くてそれこそ過労死手前になっている状況に居る人は
今の自分の環境が、羨ましく思うのだろうけれど・・。
このまま、ヒマな、退屈な、手持ち無沙汰な時間を毎日毎日
過ごして、とても未来が見えない自分はとても幸せじゃない。

そう思う。

***

とある著名な歌手(アーティスト?)で、今は活動停止を
している方が居て。その人が活動停止をした理由で、こんな
ような内容のことがあった。

「アーティスト活動を休止して、これから人間活動をしたい」

その人は、「おばさんになってもマネージャ無しじゃ何も
できない人になりたくない」とも言っていた。
自分は一般人だししょうもない会社員だけれどその気持ちが
何となく、少し分かるような気がする。

すべて上で書いた話に繋がると言うかそれが根底にあるから
なんだろうけれど、今の自分は何も出来ない。
すべて、組織に守られている。組織が無いと生活できない。

こうして生活できているのは?会社から貰うお給料のため。

そのアーティストの言う「人間活動」とというのは、自分が
考えているものとは全然違うかもしれない。
もっと音楽活動以外の、人と人との触れ合いとか、一般人の
庶民的な生活とか最低限の人間らしい日々の仕事というか、
そういうのを言っているのかもしれない。

でも自分は「人間活動」と聞いたとき、じゃあ自分にとって
「今の生活は人間らしい?」と問うたときそう思えなかった。

組織の中で、特に任された重要な仕事なんて無く、担当する
仕事があったとしても、誰の役にも立たない。
「別にそこまでやる必要ないし、これからやり方変えよう」
だったら、端からやらせるなよ。最初から不要だったなら。

そう思ったとき、だから怖かった。
「自分はこのままだと腐る。もうこれは人間じゃない」

自分が考えていた、社会人はこんなものじゃなかった。
想像だともっと過酷だった。もっと遣り甲斐もあった。
遣り甲斐は譲歩するにしても、毎日の仕事がこんなにも
くだらなくて、何の役にも立たなくて、退屈で、そんな
ものを想像したことは無かった。
せっかく、割とキツイと言われている業界・職種に就いた
と思っていたのに。

***

学生時代に専攻していた学問の関係の、資格試験について
最近すこし勉強している。

試験に受かるか分からないけれど、腕試し的というか。
それと、正直に言ってしまうと、実はその方面の仕事に
就きたかった。将来。実はかなり幼い頃から。
今まったく違う業界に居るけれど、いつかはそっちに戻る、
そんなことを夢に見ていたことがある。というか今も。

でも、こうして勉強をしていると、自分が向いているのか
分からなくなってくる。
多分、「向いているかどうか」は愚問だと思う。結局は
自分がそっちに進みたいかどうかが問題なのであって。
だけれど、あれだけかつて夢見ていた職業だって、いざ今
「じゃあ今、これからそっちに行きたいか」と問えば、
なんとなく返答に困る自分が居た。

やっぱり、今の仕事をやりつつ、片手間で勉強するのは
なかなか面倒くさいし、かと言って会社を辞めて完全に
自由な状態で「さぁ勉強するか」ってなるかと言えば、
それも疑問でもあったりするし、何より今の会社を辞めて
じゃあそれで生活どうするのかっていうリスクも考える。

結局、臆病で、どうしようもない自分を知ることになる。

でも、昔に馴染んでいた勉強にまた触れてみるというのは、
何だか新鮮に感じたり、それでいて少し懐かしく感じる。
それは、ちょっと、気持ち良かったりする。

***

結局自分は、何がしたいんだ、と。
そろそろまたかなり、自分で辛くなってきている。

自分でコントロールできるほど小さいものじゃなく、また
本当に誰も期待してない・誰の役にも立たないくだらない
そんな仕事じゃなく、少しはマトモな割と大きい仕事でも
参加をさせてもらって、忙しくなってくれば。

こんな疑問なんて湧かなくなるかな。

しんどい。
こんな生活、自分の考えていた、人間、じゃないよ。

***

2012/11/04 23:23


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