なんだか毎日が低めのテンションで過ぎていく。暑いし、あせもできそうだし、身体重いし・・・。ぼそっと我知らずつぶやく「どこかに行きたい」。気分がさえない時は、ここではないどこかに行きたくなるものなのかしら?・・・と、ちょっと考えた。
とうちゃんの入っていた施設の部屋の窓から高速道路が見えた。防音壁というのだろうかそのせいで、車は影しか見えてなかったような気がする。それをとうちゃんは「ここから新幹線が見える」って、いつも言っていた。最初は「違うよ、高速道路だよ」と答えていたのだけど、熱心に言い張るものだから「あぁ、そうなの?」と流していたのだった。
とうちゃんはあの頃「どこかへ行きたい」と思い続ける日々だったのじゃないかしら?自分の家ではないところで、一人きりではない独りぼっちで、思いのままにならない身体と、時々迷子になる頭の中。「どこかへ行きたい、あの新幹線に乗って」と思っていたのかもしれないと、この頃思う。
一緒にどこかへ行けばよかった・・・という後悔。
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