孫太郎は寝返りが出来るようになった。うつぶせになって、一生懸命頭を持ち上げるのだが、力尽きてパタっと顔を伏せてしまうのが可愛くて、ずーっと見ていて飽きない。自分の子どもの時、こんなに楽しめたのかしら?と、不思議に思う。幼子は魔法そのものだ。
2、3日前やっとこさ寝返りができたばっかりなのに、もう前へ進もうとするのが見て取れて興味深い。まだ、手脚の動きが気持ちについていかないみたいで、やたら手脚をバタバタしているのだが、視線は前にある・・・スリッパだったりチラシだったりおもちゃとは限らない・・・ものに向けられて、近づきたいのに近づかなくて、見ている方がもどかしい。
それなのに、懸命にどうにかしようとしているのをみて、私達はいつこの健気な頑張りを、無垢な頑張りを忘れてしまったのだろうかと、切なくなってしまったのだ。日毎成長していく孫太郎。
頑張りを忘れた時、人は老い始めるのかもしれない。
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